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【光通信ウォッチ】6345アイチコーポレーション

光通信ウォッチ】6345アイチコーポレーション

バリュー投資家の端くれとして、国内最大級の規模でバリュー投資を行なっている光通信の動向については非常に強い関心を持っている。ただ光通信の投資先には一貫した特徴がありそうでない。一社一社をより詳細に分析していくことで何か発見があるのではないか、と考えたのでこれから不定期に光通信の投資先約180社を「光通信ウォッチ」としてざっくり分析していきたい。初回は6345アイチコーポレーションを分析する。

 1.会社概要

アイチコーポレーションは埼玉県上尾市に本社を置く高所作業車メーカーで、主力のトラックマウント式と呼ばれる高所作業車で国内シェア6割強を握るトップメーカーだ。2002年に豊田自動織機資本提携し、現在は同社の子会社となっている。

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(アイチコーポレーション2020年3月期決算説明会資料P.4)

高所作業車は、電気・通信工事業界、レンタル建機業界の設備投資動向により需要が大きく変動する傾向にあり、同社の業績も波が大きい。しかし平均的に8~10%程度の営業利益率を維持している。海外売上高比率は2020年3月期で6.9%なので内需系企業だ。

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 2.光通信の投資目的

光通信は2018年9月末に議決権比率1.67%を持つ第5位株主としてアイチコーポレーションの株主名簿に初めて登場、そして2020年9月末時点では2.96%保有の第3位株主になっている。なぜ光通信はアイチコーポレーションの株式を取得したのだろうか。

 

まずは財務面だが、アイチコーポレーションの299億円(総資産の35.3%)にも上る多額の「預け金」に目を付けたのだと思う。この預け金は親会社豊田自動織機のキャッシュマネジメントシステム(CMS)による取引で預けられているものだ。このような少数株主の利益にならない過大な非収益資産に無言の圧力をかけ、株主還元させようとしているのではないか。

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さらにアイチコーポレーションのネットキャッシュと時価総額の推移をみてみると、光通信が投資を開始したと思われる2018年3月~9月は、ちょうどアイチコーポレーションの時価総額がネットキャッシュを下回り始めた時期でもある。このことからネットキャッシュと時価総額を比較し投資判断に使っている可能性がある。

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以上の点を総合すると、株主還元の余地が大きく、時価総額がネットキャッシュを下回るという明確な割安さに注目し、アイチコーポレーションへの投資を決めたのではないかと推測する。

 3.感想

11月27日のアイチコーポレーションの終値は936円で時価総額は743億円。株価の上昇で時価総額がネットキャッシュよりも小さい状況は是正されている。また2020年3月~9月の半年間で光通信保有株式数は増えていないことからしばらく買い増しは行わなそうだ。

 

極端な割安さは解消されたものの、以下の点はおもしろく、さらに分析してみる価値はありそうだ。

  • 光通信の投資先の中では、時価総額約700億円で流動性が高く、投資しやすい。
  • 配当利回り3.10%、配当性向50%を掲げており安心感がある。
  • 親子上場解消の可能性あり。
  • 株主還元の余地が大きい。

 今日の関連株

  • アイチコーポレーション東証一部 6345)高所作業車メーカー国内トップ。豊田自動織機子会社。電力会社向けやレンタル建機業者向けが多い。

【決算ウォッチ】タクマ 2021年3月期2Q

【決算ウォッチ】タクマ 2021年3月期2Q

会社四季報秋号で「これは」と思い、すぐに買ったのがタクマ(6013)だ。11月11日に2021年3月期第2四半期決算を発表したので簡単に確認したい。

 

 1.決算概要

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売上高70,352百万円(前期比+21.8%)、営業利益5,826百万円(同+56.2%)の大幅増収増益。

第2四半期時点での通期業績に対する進捗率は、売上高で52.1%営業利益で53.9%当期純利益で56.2%となった。

 

 2.事業動向

タクマはごみ処理プラント、バイオマス発電プラント等の建設、メンテナンス、運転管理、運営などを行なう企業で、両プラント製品ともに国内で最多の納入実績を持っている、この分野での大手だ。

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近年、ごみ処理プラントでは20~30年が寿命だとされる中で、既設プラントの大半が築20年超と老朽化が進んでおり更新・延命化の需要が旺盛、バイオマス発電プラントでもFIT(固定価格買取)制度を背景に引き合いが強い、という追い風がタクマの事業には吹いている。それを物語るのが、売上高の約2.8年分にあたる3,938億円まで積み上がった受注残高だ。2017年以降急激に増えている。

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タクマが手掛けるごみ処理プラント、バイオマス発電プラントは受注から納入まで3~5年程度と長期に渡るものが多く、各期の工事の進捗に応じて収益・費用を計上しているが、今第2四半期は工事の進捗が順調に進み、大幅な増収増益を達成した。

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例年、第4四半期にかけて尻上がりに工事が進捗し、引き渡しが多くなる傾向にあるため、第2四半期時点で50%を超える進捗率はなかなか良いと思う。

 

 3.感想&まとめ

  • 主に自治体向けにごみ処理プラントを納めているタクマは、新型コロナウイルスの影響を受けていない。
  • 既設プラントの老朽化により更新・延命化需要、エネルギー政策を追い風としたバイオマス発電プラントの需要など、追い風が吹いている。
  • 受注高が売上高の約2.8年分にあたる3,938億円まで積み上がっている。

などプラントを手掛けている割には「景気に左右されにくく、事業は安定していて目先の業績も見通しやすい」、そうした企業に好んで投資する光通信が、圏外(19年9月)→4.01%(20年3月)→4.30%(2020年9月)と急速に買い増しを続けている点もカタリストとなりそうだ。

 

引き続き、機会をみて自分も買い増しを行なっていきたい。

 

今日の関連株

  • タクマ東証一部 6013)ボイラー基盤にごみ焼却炉、バイオマス発電プラントを手掛ける。メンテナンス、運転管理、運営などアフターサービス分野を強化。

TOBに応募する法人株主について

TOBに応募する法人株主について

www.nikkei.com

日本電信電話(NTT)は、9月30日から11月16日までの日程で行なっていたNTTドコモへのTOBが成立したと11月17日に発表した。

 

自分はNTTドコモの株主ではないが、「NTT-NTTドコモという最大の親子上場が解消され、親子上場解消の流れが加速するのか?」「NTTドコモの株主がTOB後に投資するのはどこか?」などが今後の投資のヒントになるのではないかと思い、注目していたが、10月21日に日本空港ビルデングから興味深いIRがあった。

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つまり日本空港ビルデングは、保有している90万株のNTTドコモ株をTOBに応募し、投資有価証券売却益3,504百万円を計上する見込みであるというのだ。これはおもしろい投資ヒントになると思い、早速、その日のうちに各社有価証券報告書からNTTドコモ株を保有している企業がないかを調べてみた。

 

調べてみたところ、トヨタ自動車(743.1万株保有)、スズキ(298.6万株保有)、三菱電機(162.5万株保有)などの保有株式数が多く、売却益計上による業績へのインパクトが大きそうな企業としては名港海運(42.8万株)が浮上した。

 

名港海運は、名古屋港を拠点に港湾運送や倉庫事業を行なう企業だが、どういう繋がりかNTT東海移動通信網だった時代からNTTドコモの株式を保有している。

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そして、名港海運は先日の第2四半期決算に「重要な後発事象」を記載した。それによると、NTTドコモ株42.8万株の売却益として1,563百万円を特別利益として計上する予定であることとのことだ。名港海運は今期3,650百万円の純利益を見込んでおり、その半分近くが投資有価証券売却益となるから業績へのインパクトはなかなか大きい。

 

TOBされそうな企業へ投資を行なうだけでなく、こうしたTOB応募に伴う投資有価証券売却益が得られそうな企業を探すというのもおもしろい投資法の一つかもしれない。今後もTOBがあったときに試してみたい。

 

▷今日の関連株

  • 名港海運名証二部 9357)名古屋港の港運業者大手。自動車や自動車部品、工作機械の輸出入がメイン。陸海空一貫輸送体制を整備
  • NTTドコモ東証一部 9437)携帯電話国内最大手。NTTによるTOB成立により上場廃止予定

【決算ウォッチ】アプライド 2021年3月期2Q

▷【決算ウォッチ】アプライド 2021年3月期2Q

11月9日、米製薬大手ファイザーと独バイオベンチャービオンテック新型コロナウイルスワクチンが臨床試験で高い有効性を示したという報道があった。この報道を手掛かりに、翌日の日本の株式市場では、経済活動正常化への期待から航空株、鉄道株、百貨店株などが買われ、一方で、巣ごもり需要などを追い風にこれまで株価が堅調だったマザーズ銘柄などは大きく値を下げた。

 

そうした地合いの中で、PC小売店を展開するアプライドも7.7%安となったが、好調が予想される第2四半期決算発表を前に、売られすぎだと判断。4,060~4,100円で買い向かい、決算を持ち越すことにした。

 

今回はその第2四半期決算の内容を確認したい。

 

1.決算概要

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売上高18,282百万円(前期比+16.8%)、営業利益1,191百万円(前期比+65.7%)の大幅増収増益。

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合わせて、通期予想を上方修正し、2Q時点での通期予想に対する進捗率は、売上高で56.2%営業利益&経常利益で59.5%当期純利益で59.4%となった。

 

2.事業動向

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四半期売上高9,709百万円は直近10年で最高、四半期営業利益も495百万円と、増税前の駆け込み需要があった前年の第2四半期(7~9月)の512百万円には及ばないものの、在宅勤務やオンライン授業を背景とした好調が見て取れる。巣ごもり需要を追い風に化粧品・雑貨事業の売上高も前期の3,672百万円から6,120百万円へ拡大している。

 

3.感想

悪くない決算内容だが、事前に好調が予想されていたことや、上方修正幅が小さいこともあり、13日引け後のPTSでは3,900円まで売られていた。しかしこれはPER7.92倍、PBR1.28倍で依然割安感がある。

 

またアプライドは例年、第4四半期に利益率が高い大学や官公庁向けソリューションの納入が集中し、利益を稼いでいる。PC小売部門は、在宅勤務・オンライン授業、10万円の特別給付金などの追い風が薄れつつあるが、保守的に見積もっても、下期で営業利益800百万円は堅く、通期では業績予想を超過するとみている。

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長期的にも、2015~2016年頃から営業利益率が急伸していることからわかるように、アプライドは付加価値の低いBtoCのPC小売店から、高付加価値のBtoBの大学・研究機関・法人向けのITソリューション事業を強化し採算が改善している。PERでいうと7~8倍の「PC小売店」としての評価はいずれ見直されるのではないか。

▷今日の関連株

【決算ウォッチ】京葉瓦斯 2021年12月期3Q

▷【決算ウォッチ】京葉瓦斯 2021年12月期3Q

以前、光通信が株主名簿上位10位以内に顔を出している企業を調べた際に、全180社中にガス会社が2社あることが気になった。確かにガス会社は生活に不可欠なライフラインを担う企業であり、光通信が好む「景気に左右されにくい安定収益を持ち、業績見通しが立てやすい企業」だ。

 

2社のうちの1社で、2020年3月末時点で光通信が2.02%の株式を保有する京葉瓦斯が11月9日に第3四半期決算を発表したので簡単に見ていきたい。

 

1.決算概要

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売上高68,977百万円(前期比▲6.6%)、営業利益7,043百万円(前期比▲6.2%)

 

通期業績予想に対する進捗率は、売上高で78.2%営業利益で108.3%当期純利益で106.1%となった。

 

2.事業動向

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京葉瓦斯は、社名の通り千葉県市川市船橋市など千葉県西部を地盤とするガス会社で、ガス販売量の約2/3が家庭用、約1/3が業務用となっている。今期は業務用ガス販売量が新型コロナウイルスの影響により3Q時点で前年比▲10.3%と大幅に減少、これが減収減益の要因だ。

 

しかしそれでも、3Q時点で当期純利益進捗率106.1%と通期計画を超過している。これは暖房・冷房用のガス需要が上半期(1~6月)に集中するというガス会社の特性のためだ。例年4Qは500~1,000百万円の赤字なのでほぼ業績予想と同じ水準での着地となりそう。

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3.感想

ほぼ業績予想通りの着地となりそうと書いたが、11月10日に気象庁が「今後冬にかけてはラニーニャ現象が続く可能性が高い」と発表した。今冬は気温が低くなりそうで、4Q、あるいは来期の出足のガス販売が好調な可能性がある。短期的なカタリストになろう。

 

長期的に見ても過去20期で赤字無し。毎年安定してBPSを6%程度増やし、財務も良い。株価はPER7.45倍、PBR0.46倍、換金性資産(現金+売掛金+投資有価証券)が時価総額より多い状況にある。

 

「景気に左右されにくい安定収益を持ち、業績見通しが立てやすい企業」かつ「PBRが低く」「換金性資産が時価総額より多い」。京葉瓦斯、債券的に持てる悪くない投資先なのではないか。

 

▷今日の関連株

【決算ウォッチ】オリジナル設計 2020年12月期3Q

▷【決算ウォッチ】オリジナル設計 2020年12月期3Q

これまで何度かブログで書いてきた注目企業のオリジナル設計(4642)が11月5日に2020年12月期の第3四半期決算を発表した。官公庁向けビジネスで業績は安定していて、財務が良く、株主還元にも積極的、水ビジネスという息の長いテーマ性もあることから長期保有している。簡単に第3四半期決算をまとめておきたい。

 

1.決算概要

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売上高4,663百万円(前期比▲4.2%)、営業利益537百万円(前期比▲25.3%)の減収減益。

第3四半期時点での通期業績予想に対する進捗率は売上高で72.8%営業利益で67.1%当期純利益で65.3%となっている。

 

2.事業動向

オリジナル設計は、上下水道の調査・計画・設計などを行なう建設コンサルタントであり、売上高の96%程度が官公庁向けである。したがって、年度末の1~3月(オリジナル設計では第1四半期)に納期が集中するという特徴がある。例年、1Qと2Qで大半を稼ぎ、3Qは赤字、4Qは1億円程度の黒字であることが多い。

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つまり第3四半期時点で通期当期純利益の進捗率が65.3%という今年度は進捗率が良くない。決算短信によると、新型コロナウイルスの影響によるプロジェクトや業務案件の遅延が影響しているという。

 

3.感想

通期の業績予想では、当期純利益は470百万円を見込んでいるが、第3四半期時点で307百万円。第4四半期で四半期純利益50~150百万円を稼いだとすると、2020年12月期は、業績予想を少し下回る350~450百万円程度の業績で、予想未達となりそうだ。

 

だが、

  • 受注高は比較的好調(前期比2.3%増)で、新型コロナウイルスの影響で案件が遅延していると言っても、公共事業なので第4四半期以降に計上される予定である。
  • 高度成長期に整備された水道管路の更新という長期的な需要がある。
  • 建設コンサルタントという業種特性により資産の質が良い(流動資産が多い)。
  • 光通信が第2位株主(持株比率10.71%)となっており、株主還元を強化し始めていること。

 

など長期的に安心して投資できる材料が多く、投資指標もPER11.73倍、PBR0.98倍と依然割安感があり、配当利回りも3.32%もあることから保有を継続。

 

▷今日の関連株

京阪神ビルディングへのTOB

京阪神ビルディングへのTOB

www.nikkei.com

旧-村上ファンドから独立した丸木強氏が率いる投資ファンドストラテジック・キャピタルは、11月4日に、関西圏でビル賃貸を行なう中堅不動産会社の京阪神ビルディングに対して以下の条件でTOBを実施すると発表した。

  • 買付価格:1株1,900円(直近30営業日の終値に対するプレミアム5.7%)
  • 買付期間:11月5日~12月17日(30営業日)
  • 買付上限:10,206,100株(自己株を除く発行済株式数の19.63%)
  • 買付下限:10,206,100株(自己株を除く発行済株式数の19.63%)

 

ストラテジックは、2017年に京阪神ビルディングの株式を取得して以降、役員の大半をメインバンクの三井住友銀行OBが占める状況や、資本効率の低さなどを改めるよう京阪神ビルディングに求めてきた。そうした経営改善の株主提案が2020年株主総会でも否決されたことから、今回、TOBによって株式を約3割まで追加取得し、発言権を高めるのが目的だとみられる。

 

ただ、調査してみたところ、京阪神ビルディングの株主は、持合株や取引先などの友好的な株主が多く、確認できただけで41.93%が友好的な株主だ。個人投資家が9.8%、ストラテジックを含めた外国法人等が16.9%しかおらず、ストラテジックが株式市場から追加で19.63%もの株式を、たったの5.7%のTOBプレミアムで集めるというのはかなり厳しいと思われる。

 

<参考>京阪神ビルディングの大株主の状況

株主順位 株主の氏名・名称 所有株式数(千株) 所有株式の割合 株主の概要
1 銀泉 6,440 12.39% 住友銀行系資産管理会社
2 インタートラスト トラスティーズ ジャパン アップ 2,887 5.56% ストラテジック・キャピタル
3 三井住友銀行 2,133 4.10% メインバンク
4 日本マスタートラスト信託銀行 1,930 3.71% 信託銀行
5 日本カストディ銀行 1,516 2.92% 信託銀行
6 サンシャインF号投資事業組合 1,500 2.89% ストラテジック・キャピタル
7 ダイキン工業 1,421 2.74% 株式持合。メインバンクは三井住友
8 きんでん 1,393 2.68% 株式持合。メインバンクは三井住友
9 鹿島建設 1,376 2.65% 株式持合。取引先
10 三重銀行 1,287 2.48% 株式持合。旧住友銀行と親密
- 百十四銀行 891 1.71% 株式持合。旧住友銀行と親密
- 三精テクノロジー 865 1.66% 株式持合。メインバンクは三井住友
- 愛知銀行 693 1.33% 株式持合。
- ダイビル 667 1.28% 株式持合。メインバンクは三井住友
- 大和ハウス工業 644 1.24% 株式持合。メインバンクは三井住友
- クボタ 447 0.86% 株式持合。メインバンクは三井住友
- 丸一鋼管 400 0.77% 株式持合。メインバンクは三井住友
- レンゴー 300 0.58% 株式持合。メインバンクは三井住友
- 明電舎 300 0.58% 株式持合。メインバンクは三井住友
- サノヤスHD 294 0.57% 株式持合。メインバンクは三井住友
- 能見防災 245 0.47% 株式持合。取引先
- 南海電気鉄道 204 0.39% 株式持合。メインバンクは三井住友
- ニチハ 148 0.28% 株式持合。メインバンクは三井住友
- 酉島製作所 125 0.24% 株式持合。
- ダイダン 123 0.24% 株式持合。取引先
- フジテック 107 0.21% 株式持合。取引先
- 戸田建設 641 1.23% 取引関係
- 関西電力 200 0.38% 取引関係
- 住友電設 129 0.25% 取引関係
- 日本電設工業 74 0.14% 取引関係
- 関西みらいFG 74 0.14% 取引関係
- 東リ 41 0.08% 取引関係
- セイノーHD 39 0.08% 取引関係
- 南海辰村建設 9 0.02% 取引関係

 

というわけで、ストラテジックTOBは成立しない可能性が高い。それではなぜストラテジックTOBに踏み切ったのか。

 

これは推測だが、おそらく京阪神ビルディング側に圧力をかけ、京阪神ビルディングに友好的なホワイトナイトによる対抗TOBや大規模な自社株買いを誘発しようとしているのではないか。その際には、TOB合戦となったユニゾホールディングスが参考になりそうだ。ユニゾHDのケースと照らし合わせて京阪神ビルディングの価値を計算すると、1株純資産1,324.49円に1株不動産含み益(税引後)977.21円を加えた2,301.71円が一つの目安となるだろう。

 

今日の終値2,177円からはそれほど上値余地はないが、今後、おもしろい展開になりそうなので注視していきたい。

 

▷今日の関連株

ESG投資への疑問

▷ESG投資への疑問

www.nikkei.com

今は猫も杓子も「ESG投資」、投資家も企業もESG投資を受け入れ、それを批判することなど許されないような雰囲気もある。

 

しかし、それほど業績も財務も悪くない電源開発(9513)が石炭火力をやっているためにPBR0.35倍まで売り込まれているのをみると、GPIFや従業員年金までもがESGに基づいて投資判断するのは、本当に委託者のためになっているのか疑問を持ってしまう。11月2日の日本経済新聞朝刊に「ESG投資、過信は禁物」というFinancial Timesのおもしろい記事が載っていた。以下、記事の重要な部分を引用する。

 

(ESG投資は)長期的な運用成績が市場平均を上回ることが立証されていないうえ、そもそも発想自体に難がある。

 遠い将来のある時点では、社会的な善と金銭的な利益が一致しなければならないのはその通りだ。ただこれは個人投資家には長すぎる時間だし、企業の経営計画が想定する期間ともかけ離れている

 

現実的な時間軸で考えると、ESG投資の対極にある反道徳的投資が最高のリターンを上げてもおかしくない。

投資が高収益を生む方法は2つある。成長余地が大きそうな銘柄に投資するか、割安な銘柄を探すかだ

(ESG投資により反道徳的企業から投資家が遠ざけられると)反ESG銘柄は下落して割安になるため、むしろこちらに投資する方がESG銘柄より長期的に高いリターンが得られる

 

企業がESGで高い評価を得ているかどうかは企業規模や株価モメンタム、収益力と同様、あくまで投資判断材料の一つだ。こうしたものは長期間、物色テーマにならないことがあるかもしれない。特定のテーマにこだわり過ぎればリターンは落ちる。 

 

良いことをして利益を得るという極めて楽観的な考え方が社会の実益になることはない。この考え方が役に立つのは運用会社が商品を売るときと、企業が厳しい選択を避けたまま自社の評価を上げたいときだろう。 

 

読んでいて「もっともだ」と思った。これら以外にもそもそもG(企業統治)の良し悪しについてはある程度の客観的な評価ができるとしても、E(環境)やS(社会)についてどうやって誰にでも納得のできる客観的な評価ができるだろうか。ESGスコアを評価する評価会社が乱立しており、評価基準が明確ではないという問題もある。

 

アメリカでは、ブッシュ政権オバマ政権、トランプ政権と、政権が変わるごとにESG投資の解釈が揺れ動いてきたという。アメリカで新大統領が選出されるのを機に、虎の子の資産や年金の運用先を選ぶ判断基準としてなにが適切なのか、自分自身もう少し考えてみたい。

 

▷今日の関連株

ESG投資は特に石炭関連銘柄への見方が厳しい。

  • 住石ホールディングス東証一部 1514)旧-住友石炭鉱業。国内炭から撤退し、出資先の豪州炭鉱からの石炭の輸入販売がメイン。採石事業なども行う。PBR0.44倍
  • 三井松島ホールディングス東証一部 1518三井鉱山系の旧-松島炭鉱。豪州での石炭生産、国内での石炭販売が主力。衣料、施設運営、飲料ストロー生産も行う。PBR0.28倍
  • 日本コークス工業東証一部 3315)旧-三井鉱山が2009年に社名変更。鉄鋼会社向けのコークス製造大手。産業機器も扱う。PBR0.42倍
  • 太平洋興発東証一部 8835三井鉱山系の旧-太平洋炭礦。輸入炭販売も行うが主力事業は不動産や老人ホーム運営など。PBR0.34倍
  • 電源開発東証一部 9513)2004年に民営化された電力卸会社。石炭火力発電と水力発電が主力。PBR0.35倍

 

初オンライン配信ライブ

▷初オンライン配信ライブ

5月の連休中に東京ドームでの開催が予定されながら、これまで延期されていた白石麻衣さんの乃木坂46卒業ライブが、先日10月28日にオンライン配信ライブとして開催された。

 

やはり乃木坂46の象徴とも言えるほどの白石さんの卒業ライブということで、これまでにない大規模な視聴者数が予測されたのか、運営側も楽天TV、ABEMA、Huluなど9つのプラットフォームに分散して一般配信が行われた。一方で、楽天TVはアフター配信などの特典が付いた限定配信を独占的に扱ったため、案の定、楽天TVに視聴者が集中。開演予定時刻19:00になってもログインできない事態となり、開演時刻を延期して19:30に開演された後も20:12までアクセスしづらい状況が続いた。

 

自分も18:30からログインを試みたものの繋がらず、19:31にようやくログインできた。開演前の影ナレや、Overtureは聞けなかったものの、幸いにもライブ本編には間に合い、全ての曲を観ることができた。

 

ライブ自体は、乃木坂46の精神的支柱として支えてきた白石さんの最後として相応しい、感動的な素晴らしいものだった。それだけに、ライブ終了後に楽天TVを批判するツイートを目にしたり、楽天TVからの「お詫びメール」「返金のお知らせ」を読んだりするのが興醒めに感じた。

 

楽天TV側の落ち度はあるが、いつコロナ以前のようなライブが再開できるかわからない中で、オンライン配信の形になっても、ライブの非日常感を壊す行為や、怒りに任せたツイート等でメンバーのパフォーマンスと関係ないところでライブの価値を毀損しないよう自分自身は最低限努めたい。

 

▷今日の関連株

  • 楽天東証一部 4755)2001年USENと共同で動画配信サービス「ShowTime」を開始。2009年にUSENが撤退し、2017年楽天TVに名称変更

【決算ウォッチ】EIZO 2021年3月期2Q

 【決算ウォッチ】EIZO 2021年3月期2Q

長期保有している株の一つであり、これまで「決算ウォッチ」でも2回取り上げたEIZOが、10月30日に2021年第2四半期決算を発表した。未定だった通期業績予想も開示されたのでざっくりとまとめておきたい。

 

 1.決算概要

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売上高31,708百万円(前期比▲7.8%)、営業利益1,472百万円(前期比▲26.6%)の減収減益となった。見積もりが困難だとして、これまで未定としていた通期業績予想も開示され、売上高70,500百万円(前年比▲7.8%)、営業利益5,700百万円(前期比▲11.5%)、当期純利益は微増益となる4,700百万円(前期比+0.6%)を見込んでいる。

 

第2四半期時点での通期業績予想進捗率は、売上高で44.9%営業利益で25.8%EPSで28.6%

 

 2.事業動向

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未だ本調子とは言えないものの、第1四半期と比較するとアミューズメント用途を中心にいくらか回復している様に見える。一方で、ヘルスケア用途は医療施設への立入制限や設備導入計画の後ろ倒しが響き、戻りが鈍い。

 

下期は、ヘルスケア用途の復調と、アミューズメント用途で遊技機の新規則需要で前下期比増収を見込んでいる。

 

 3.感想

  • 第1四半期決算発表の決算ウォッチブログでは「通期だとEPS200円くらいに落ち着くのでは?」と書いたが、通期予想はそれを上回るEPS220.45円でほぼ前期並み。悪くない印象。
  • 第2四半期時点で売上高進捗率が44.9%なのに対して、営業利益進捗率は25.8%にとどまっており、下期は利幅の厚いアミューズメント用途やV&S用途などの貢献を見込んでいる?
  • 想定為替レートは、1ユーロ=122円、1ドル=108円だが、下期は円高ユーロ安が進むリスクには注意が必要。
  • 直近の村田製作所株の値上がりで投資有価証券は452億円まで増加。EIZOの総資産の34.1%に。今期中に売却される可能性は依然高いため、注目が必要。(『詳しくは純投資目的に変更した理由は?

 

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