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サイボーの魅力

 サイボーの魅力

会社四季報春号が先日3月19日に発売され、最近は気になった企業をリストアップ・分析しながら読み進めることに1日の大半の時間を割いている。じっくりと読み進めているため、まだ4000番台だが、この時点で最も気になる企業がサイボー(3123)だ。

企業名からは何をしている企業なのか読み取れないが、サイボーは旧-埼玉紡績から1967年に社名変更を行なった繊維関連企業である。「繊維」というと斜陽産業で、全く成長できなそうなイメージだろう。しかしサイボーには投資対象としての魅力が隠されている。

 実質は不動産賃貸業のサイボー

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サイボーは、1948年に紡績会社として創業し、現在も売上高では繊維事業が全体の約6割を占めている。ただ繊維事業は人件費などが重く、過去20期でセグメント黒字は僅か3期(2011~2013年)と不振が続いている。

一方で、収益源となっているのが、かつての繊維工場跡地を転用した、不動産活用事業(商業施設の賃貸)である。不動産活用事業では、埼玉県川口市内にあるイオンモール川口前川の土地・建物をイオンモールに対して賃貸しており、同事業がほぼすべての利益を稼ぎ出している。

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また、こうした不動産活用事業で保有している不動産の時価評価は、2020年3月期末時点で240億円にも上っており、簿価118億円との差額122億円が含み益となっている。3月22日時点で、サイボーの時価総額は66億円に過ぎず、2022年3月期には同じく埼玉県川口市内にイオンモール川口が新規開業、秋には賃貸用医療施設も開業する見込みであることから、今のサイボーの株価はあまりにも魅力的というわけである。

実質的な純資産は約240億円なので、イオンモールが無事開業する頃には、控えめに見ても120~150億円くらいの時価総額があってもいいのではないかと考えている。

 今日の関連株

  • サイボー東証二部 3123)旧‐埼玉紡績だが紡績事業から撤退し、繊維事業縮小。収益源は工場跡地を転用した商業施設賃貸事業。