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パッケージソフト開発会社への投資

 パッケージソフト開発会社への投資

 1.「わからないもの」への投資

自分は「わからないものへの投資はしない」ということを投資方針の一丁目一番地に据えている。投資指標や財務諸表から分析して素晴らしい企業であったとしても、馴染みのない、事業の理解が難しい企業であれば、安心して長期的に投資するのは困難だろう。

具体的には、自分の頭では理解が難しい、「わからないもの」として、研究開発型の製薬会社やバイオベンチャー半導体関連、そしてシステム開発会社などがあり、それらの業種の会社は四季報が出ても、決算が出てもあまり注意せずにサッと斜め読みする程度でやってきた。

だが、システム開発会社と一括りに「わからないもの」として敬遠してきたパッケージソフト業界について、上司からビジネスモデルを教わる機会があり、また自分でも同業他社を分析してみたところ、非常におもしろい企業が多いということを発見した。

これまでの自分の「わからないものへの投資はしない」という投資方針は、聞こえはいいが、実はわからないものを理解しようとする姿勢を放棄していて、そこには自分の知らない素晴らしい投資対象が転がっているのではないかと思うようになった出来事だった。

 2.実は優良企業が多いパッケージソフト業界

パッケージソフト」とは、CDやDVDなどの記憶メディアに記録され、それをPCなどにインストールすることで、業務効率化のための特定の機能が利用できるようになるソフトウェアのこと。大企業であればNTTデータ富士通といったシステム開発会社に依頼して自社に最適なシステムを構築するが、自前のシステムを構築するほどではない中堅・小規模の企業が業務効率化などの目的で導入することが多いという。

つまりパッケージソフトは、標準化されたシステムであり、開発のために初期投資を要するものの、開発費を回収すれば、CD・DVDの製造コストと販管費程度しかかからず、驚異的な利益率をあげることが可能なのだ。

その傾向は、国内外の大手が参入してこないようなニッチな分野に特化している企業に特に顕著に見られ、企業の固定資産管理に特化したソフトを開発しているプロシップ東証一部 3763)、信用金庫向けのリスク管理等のソフトを手掛ける情報企画東証二部 3712)、建築物の設計用CADに特化したパッケージソフトを開発する福井コンピュータホールディングス東証一部 9790)などはいずれも3割近い利益率を安定して維持している。

これらの企業の製品は、顧客の業務に深く浸透しており、簡単に乗り換えることができないため、競合に対する参入障壁となるだけではなく、乗り換えコストの高さが価格交渉力にもつながっている。

 3.まとめ

  • 「わからないものへの投資はしない」は、知らず知らずのうちに理解する努力を放棄している可能性。
  • パッケージソフト開発会社の中には、開発に要した初期費用を回収し、驚異的な利益率を誇るところも少なくない。
  • 特定のニッチな分野に特化しているパッケージソフト開発会社は特にその傾向が強い。
  • 金融機関のシステムや企業の会計作業、中小企業の業務に深く浸透しているパッケージソフトは簡単に乗り換えることができず、競合他社に対する参入障壁となっている。
  • 顧客の業務に深く浸透しているため、価格交渉力も高いことが多い。

以上のように、パッケージソフト業界について少し調べただけでも、非常に興味深い業界であることが確認できた。食わず嫌いせず、様々な業界の企業を調べるという姿勢は意識していきたいと思う。

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