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【決算ウォッチ】東宝 2020年2月期第1四半期

▷【決算ウォッチ】東宝 2021年2月期第1四半期

決算ウォッチ第7弾は東宝東宝は2月決算なので3月決算企業よりも一足先に7月14日に第1四半期決算を発表した。2020年2月期は過去最高益を記録するなどここ数年ヒット作に恵まれ業績が好調で、自分が映画好きなのもあり東宝を監視銘柄にしていたが、事前に想定された通り、新型コロナウイルスの影響がかなり大きかった。

 

1.2021年2月期第1四半期決算概要

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第1四半期は、営業収入330億円(前年同期比▲51.3%)、営業利益28億円(同▲82.5%)の大幅減収減益。

 

また、未定としていた今期の通期業績予想は営業収入1,620億円(同▲38.3%)、営業利益100億円(同▲81.1%)になりそうだと発表した。これは過去20年で最低の水準であり、2020年2月期の過去最高益から一転した形だ。

f:id:enterprise-research:20200715215312p:plain2.事業動向

東宝新型コロナウイルス感染拡大により、3月以降全国で映画館を臨時休業。春休みに合わせて公開を予定していた「ドラえもん」「名探偵コナン」などの公開も延期、緊急事態宣言解除後は順次営業を再開しているが、「極めて厳しい状況が続く」としている。しかしセグメント別に東宝の事業をみると、不動産事業が安定収益をあげているため、大赤字になるというような事態は回避できそうだ。今期業績予想の営業利益100億円というのもほぼすべてが不動産事業の利益だろう。

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3.感想

自分は映画が好きだが今の状況ではやはり映画館に行こうと思えない。このような世の中のマインドが急速に変化するとは思えず、東宝決算短信にあるように映画事業・演劇事業は「極めて厳しい状況が続く」だろう。他方で不動産事業は非常に安定しており、このペースでいくと今期150~200億円程度のセグメント利益を出すはずだ。映画事業・演劇事業も最悪期の3~5月を計12億円程度の赤字で通過できたのであれば、第2波の動向にもよるが期中に業績予想を上方修正してくると考えている。

 

しかし株価に特別の割安感もなくあまり魅力は感じない。上方修正したとしても残念ながら1~2年は手を出しづらい銘柄なのではないか。

 

▷今日の関連株

  • 東宝東証一部 9602)阪急系、発祥は映画興行。邦画配給、興行収入で断トツ。映画館跡地利用の不動産賃貸が下支え。
  • 松竹東証一部 9601)歌舞伎興行が発祥で映画に展開。映画興行中位。不動産賃貸が安定収益。13年に歌舞伎座新開業。東宝と同日、松竹も第1四半期決算を発表。