【決算ウォッチ】テレビ東京ホールディングス 2020年3月期
▷【決算ウォッチ】テレビ東京ホールディングス 2020年3月期
決算ウォッチ第6弾はテレビ東京ホールディングス。5月14日に本決算を発表した。新型コロナウイルスへの懸念が市場で本格化した2月以降、放送株も大きく値下がりした。しかしテレビ東京株は他の放送株と比べて際立ってその後のリバウンドが早いことが気になっていた。
1.2020年3月期決算概要
2020年3月期は、売上高1,451億円(前年同期比▲2.7%)、営業利益は51億円(同▲13.8%)の減収減益となった。
合わせて発表された、2021年3月期の業績予想は売上高1,407億円(前年同期比▲3.1%)、営業利益は32億円(同▲36.8%)と2年連続の減収減益を見込んでいる。
2.事業動向
主な収入源となる広告需要は、台風などの自然災害、増税後の消費低迷などで2019年から低迷していたが、そこに追い打ちをかける新型コロナウイルス感染拡大による広告費抑制、上記のような要因に加えて広告のデジタルシフトも進んでいると見られ、タイム・スポット収入は前期比▲7.7%の大幅減。
この状況はしばらく続くことが予想され、2021年3月期の上半期はリーマンショック並みに広告収入が減少することを想定。
3.感想
テレ東株がいち早く、コロナショック前の株価に戻った要因は不明。無理やり理由をつけるなら「広告収入の月次が想定ほど悪くない」「リスク資産(不動産・投資有価証券)の保有が少ない」「ホテル事業(フジ)やスポーツジム事業(日テレ)を手掛ける他局より業績がよみやすい」あたりだろうか。それにしても全戻しするくらいの材料ではない。
それにここまで株価が上がるとあまり投資妙味はない。同セクター内で出遅れているフジメディアや日本テレビの方が長期的にはパフォーマンスが良さそうだ。
あとは乃木坂のオタクとしての感想を付け加えると、テレビ東京は今期の番組制作費を前期比9.5%削減する予定なので『乃木坂工事中』『日向坂で会いましょう』に悪影響が出ないか心配である。
▷今日の関連株
- テレビ東京ホールディングス(東証一部 9413)民放キー局5位。日本経済新聞社系で経済番組に特徴。アニメ関連やドラマ配信収入が拡大中