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【決算ウォッチ】アプライド 2021年3月期2Q

▷【決算ウォッチ】アプライド 2021年3月期2Q

11月9日、米製薬大手ファイザーと独バイオベンチャービオンテック新型コロナウイルスワクチンが臨床試験で高い有効性を示したという報道があった。この報道を手掛かりに、翌日の日本の株式市場では、経済活動正常化への期待から航空株、鉄道株、百貨店株などが買われ、一方で、巣ごもり需要などを追い風にこれまで株価が堅調だったマザーズ銘柄などは大きく値を下げた。

 

そうした地合いの中で、PC小売店を展開するアプライドも7.7%安となったが、好調が予想される第2四半期決算発表を前に、売られすぎだと判断。4,060~4,100円で買い向かい、決算を持ち越すことにした。

 

今回はその第2四半期決算の内容を確認したい。

 

1.決算概要

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売上高18,282百万円(前期比+16.8%)、営業利益1,191百万円(前期比+65.7%)の大幅増収増益。

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合わせて、通期予想を上方修正し、2Q時点での通期予想に対する進捗率は、売上高で56.2%営業利益&経常利益で59.5%当期純利益で59.4%となった。

 

2.事業動向

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四半期売上高9,709百万円は直近10年で最高、四半期営業利益も495百万円と、増税前の駆け込み需要があった前年の第2四半期(7~9月)の512百万円には及ばないものの、在宅勤務やオンライン授業を背景とした好調が見て取れる。巣ごもり需要を追い風に化粧品・雑貨事業の売上高も前期の3,672百万円から6,120百万円へ拡大している。

 

3.感想

悪くない決算内容だが、事前に好調が予想されていたことや、上方修正幅が小さいこともあり、13日引け後のPTSでは3,900円まで売られていた。しかしこれはPER7.92倍、PBR1.28倍で依然割安感がある。

 

またアプライドは例年、第4四半期に利益率が高い大学や官公庁向けソリューションの納入が集中し、利益を稼いでいる。PC小売部門は、在宅勤務・オンライン授業、10万円の特別給付金などの追い風が薄れつつあるが、保守的に見積もっても、下期で営業利益800百万円は堅く、通期では業績予想を超過するとみている。

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長期的にも、2015~2016年頃から営業利益率が急伸していることからわかるように、アプライドは付加価値の低いBtoCのPC小売店から、高付加価値のBtoBの大学・研究機関・法人向けのITソリューション事業を強化し採算が改善している。PERでいうと7~8倍の「PC小売店」としての評価はいずれ見直されるのではないか。

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