ラピスラズリの青

主に自分の好きなものや興味のあることと企業をからめて

【決算ウォッチ】京葉瓦斯 2021年12月期3Q

▷【決算ウォッチ】京葉瓦斯 2021年12月期3Q

以前、光通信が株主名簿上位10位以内に顔を出している企業を調べた際に、全180社中にガス会社が2社あることが気になった。確かにガス会社は生活に不可欠なライフラインを担う企業であり、光通信が好む「景気に左右されにくい安定収益を持ち、業績見通しが立てやすい企業」だ。

 

2社のうちの1社で、2020年3月末時点で光通信が2.02%の株式を保有する京葉瓦斯が11月9日に第3四半期決算を発表したので簡単に見ていきたい。

 

1.決算概要

f:id:enterprise-research:20201110230718p:plain

売上高68,977百万円(前期比▲6.6%)、営業利益7,043百万円(前期比▲6.2%)

 

通期業績予想に対する進捗率は、売上高で78.2%営業利益で108.3%当期純利益で106.1%となった。

 

2.事業動向

f:id:enterprise-research:20201111232340p:plain

京葉瓦斯は、社名の通り千葉県市川市船橋市など千葉県西部を地盤とするガス会社で、ガス販売量の約2/3が家庭用、約1/3が業務用となっている。今期は業務用ガス販売量が新型コロナウイルスの影響により3Q時点で前年比▲10.3%と大幅に減少、これが減収減益の要因だ。

 

しかしそれでも、3Q時点で当期純利益進捗率106.1%と通期計画を超過している。これは暖房・冷房用のガス需要が上半期(1~6月)に集中するというガス会社の特性のためだ。例年4Qは500~1,000百万円の赤字なのでほぼ業績予想と同じ水準での着地となりそう。

f:id:enterprise-research:20201112105237p:plain

3.感想

ほぼ業績予想通りの着地となりそうと書いたが、11月10日に気象庁が「今後冬にかけてはラニーニャ現象が続く可能性が高い」と発表した。今冬は気温が低くなりそうで、4Q、あるいは来期の出足のガス販売が好調な可能性がある。短期的なカタリストになろう。

 

長期的に見ても過去20期で赤字無し。毎年安定してBPSを6%程度増やし、財務も良い。株価はPER7.45倍、PBR0.46倍、換金性資産(現金+売掛金+投資有価証券)が時価総額より多い状況にある。

 

「景気に左右されにくい安定収益を持ち、業績見通しが立てやすい企業」かつ「PBRが低く」「換金性資産が時価総額より多い」。京葉瓦斯、債券的に持てる悪くない投資先なのではないか。

 

▷今日の関連株