【決算ウォッチ】カワサキ 2020年8月期決算
▷【決算ウォッチ】カワサキ 2020年8月期決算
徐々に各社の7~9月期の決算が出てくる時期になってきた。再来週あたりから本格化し、今回のピークは11月13日。各社の4~6月期決算では新型コロナウイルスの影響が発現してきたことが確認できたが、その影響はどの程度続いているのか、企業側はそれにどう対応しているのかなど今回も注目すべき点は非常に多く、重要だ。
先日、会社四季報秋号で気になった企業として挙げたカワサキは8月決算企業なので、一足早く10月14日に2020年8月期決算を発表した。
1.決算概要
2020年8月期は、売上高15.74億円(前期比▲17.3%)、営業利益2.97億円(▲14.8%)と二桁の減収減益。2021年8月期の業績予想は新型コロナウイルスの影響により合理的に算定することが困難なことから未定とした。
2.事業動向
高級ハンカチやタオルを扱う服飾事業は、セグメント売上高が前期比で36.7%減、前々期比で50.8%減と大幅な減収となっている。新型コロナウイルスの影響もあるが、不採算店舗の閉鎖など戦略的に服飾事業を縮小しているようにも見える。
一方で、倉庫の賃貸と倉庫の屋根に設置した太陽光発電の売電を行なう賃貸・倉庫事業は安定して収益を上げている。倉庫会社としての性格が益々、明確になってきているように感じた。
3.感想
表面的に今回の決算短信を読むならば、前期は二桁減収減益で見栄えが悪く、今期業績予想も未定なため、ネガティブな印象だ。しかし、決算短信の注記には、今期は固定資産売却益2.60億円が計上される予定であるとの記載がある。これは前期の当期純利益に匹敵する額であり、今期のEPSは約220円程度になるのではないか。とすると、10月14日の終値980円ベースでPER4.4倍、PBR0.49倍。一時的な要因とは言え、かなり割安感がある。
加えてこの固定資産売却で得た6億円の使い道も気になるところであり、明日、表面的に決算短信を読んで失望した株主が売ってくるのなら、喜んで買い増したいと思う。今度、IRにも電話してみたい。