【決算ウォッチ】カワサキ 2021年8月期1Q
【決算ウォッチ】カワサキ 2021年8月期1Q
年末年始は忙しく、12月15日を最後にブログを更新していませんでしたが、今年も50~100回ほど更新するつもりでやっていきますので、本年もよろしくお願いします。
今日1月14日に投資先のカワサキ(3045)が第1四半期決算を発表したので、早速、内容を見ていきたい。
1.決算概要
売上高423百万円(前期比▲5.5%)、営業利益119百万円(前期比+7.9%)の減収増益となった。2021年8月期の業績予想は、新型コロナウイルスの影響を算定できないとして、引き続き「未定」とした。
2.事業動向
カワサキは、ヨーロッパの伝統織物「シェニール織」を素材とする、高級ハンカチ、タオル、バッグなどの製品を販売する企業である。だが、これは表向きの姿であり、保有する15か所の倉庫の賃貸と、倉庫の屋根に設置した太陽光発電の売電を行なう、宛らインフラファンドのような企業というのがカワサキの実態だ。
2006年の上場以来の業績推移を見てみても、2013年以降赤字が続いている服飾事業を段階的に縮小し、安定した収益の見込める倉庫・賃貸事業に経営資源を集中しているように見える。
今第1四半期もその傾向は変わらないものの、服飾事業では、これまでの直営店や百貨店を中心とした販売体制から通信販売やテレビショッピングを強化し、コロナの影響がありながらも減収幅は前期比▲10.4%に抑え、増益を達成している。賃貸・倉庫事業は、新型コロナウイルスの影響を受けることなく安定している。
3.まとめ・感想
- カワサキの実態はインフラファンド、あるいは倉庫会社。
- 赤字が続く服飾事業にも収益体質改善の兆し?
- 泉佐野市の土地を1月中に売却予定、概算260百万円の特別利益を見込んでいる。
- 光通信が発行済み株式の3.43%を保有する第4位株主。
自分は、カワサキは第1四半期決算発表と合わせて、固定資産売却益計上の開示、それを加味した業績予想を出してくると思っていたが、今回は出なかった。引き続き、売却益の開示と業績予想を待ちたいと思うが、売却益が乗ると、おそらく今期のEPSは200~220円程度になるのではないか。これは今日の終値1,052円ベースでPER5倍である。
カワサキは、事業内容が地味でおもしろみがないが、利益柱の倉庫賃貸と売電は、コロナや景気変動の影響を受けにくい。泉佐野市の土地売却で得る約6億円も、新たな賃貸倉庫の取得に充てるはずであり、倉庫会社としてゆっくりと安定成長していけるのならば投資対象として割とおもしろいのではないか。