ラピスラズリの青

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やっぱりビオフェルミン製薬

▷やっぱりビオフェルミン製薬

年初から投資環境は大きく変化しているが、親子上場解消は間違いなく今後数年に渡って継続する有望な投資テーマである。その中でも僕が最も注目している親子上場企業の一つがビオフェルミン製薬である。2008年に大正製薬ホールディングスが63.8%の株式を取得し親会社となっているが、

 

  1. 親会社の大正製薬ホールディングスが海外進出のための巨額M&Aを複数回行っており、ビオフェルミン製薬の持つ現金(177億円、総資産の54.9% ※2020年3月期)や現金創出力(年間FCF30億円 ※同)を自由に活用したいと考えているはずであること。
  2. 親会社の大正製薬ホールディングスよりもビオフェルミン製薬の方が営業利益率(大正7.4%、ビオ25.7%)、ROE(大正2.9%、ビオ7.8%)が高く、完全子会社化は大正製薬ホールディングスの経営成績改善、利益の外部流出を防ぐことになること。
  3. ビオフェルミン製薬は創業以来、武田薬品工業(委託期間1917~2013年)や大正製薬(同2013~現在)に販売を委託してきたため、自社に販売機能を持っていない。大正製薬と組むことが不可欠。
  4. 2021年春に改訂される予定のコーポレートガバナンス・コードは、親子上場に対する投資家の目をさらに厳しいものにさせそうであること。

 

などの理由からそう遠くない将来に大正製薬ホールディングスビオフェルミン製薬の残りの全株式を取得し完全子会社化にするだろうと考え、現在1,000株を保有しているが、最近、気になる動きがあった。

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それはビオフェルミン製薬武田薬品工業と結んでいた販売委託契約を2020年12月末で終了すると公表したことだ。ビオフェルミン製薬は1917年の創業以来、製品の販売を武田薬品工業に委託してきたが、2008年に大正製薬ホールディングスの傘下に入ってからは段階的に武田薬品工業への販売委託を縮小し、大正製薬を通じての販売に切り替えてきた。今後はビオフェルミン製薬大正製薬の一体化がより進むことになるため完全子会社化に向けて一歩近づいたと見るべきではないか。

 

自社株買いなし(2006年以来14年間なし)、増配なし(記念配当を除けば2010年から年60円配を維持)、IRページには有価証券報告書も載せていない、株主を無視した経営を行なっているビオフェルミン製薬ではあるが、20年間の平均営業利益率25.1%という高収益さ、自己資本比率90.6%で無借金という好財務、高い現金創出力、整腸剤市場の緩やかな成長、ブランド力など、事業面では文句の付け所がない超優良企業である。「長期的に高収益を維持し続けられる企業」であるビオフェルミン製薬のオーナーなのだ、という気持ちでこれからもしぶとく、粘り強く投資していきたい。

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「驚異的な高収益を維持、整腸剤市場の緩やかな伸びとともに業績成長」

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