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スガノミクス?

▷スガノミクス?

今更ブログに書くと後出しじゃんけんのようだが、8月24日のニュースで安倍首相の声を聞いたときに違和感があり、また株式市場も高値圏で推移していたことから、28日の首相記者会見を前に不必要なリスクを取るべきでないと判断、保有株を一旦整理しCP(キャッシュポジション)を今年最大まで高めていた。結果的には記者会見前の14時から辞任の報が流れ始め、アベノミクス終焉への懸念から金曜日の日経平均株価は一時600円安になるなど混乱した。

 

自分もリスクを想定して行動していたとは言え、安倍首相の辞任は驚きだった。自分なりに今後の政局が市場に与える影響を簡単に考えてみたい。

 

【政局の動向】

9月15日に自民党総裁選が行われ後任の総裁が選出される。原則として総裁選は党員投票を行うことになっているが、自民党党則では「特に緊急を要するときは、党大会に代わる両院議員総会においてその後任を選任することができる。」とされており、今回は自民党所属の衆参国会議員398名の398票と自民党都道府県連代表3名の141票により次期総裁が決まる。党内の基盤が弱い石破茂(石破派、当選11回、鳥取1区)には不利で、安倍首相が率いる細田派98名、麻生派55名の2派閥の動向が重要になりそうだ。岸田文雄(岸田派、当選9回、広島1区)、菅義偉(無派閥、当選8回、神奈川2区)などが本命。次点で麻生太郎麻生派、当選13回、福岡8区)、河野太郎麻生派、当選8回、神奈川15区)などが有力だが、報道されているように菅氏支持の動きが広がっている。

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また週末に行われた緊急世論調査では、安倍首相会見を受けて内閣支持率共同通信56.9%、前回調査+10.9ポイント)、自民党支持率(同45.8%、前回調査+12.8ポイント)が急回復しており、野党も埋没している。新首相は2021年10月に衆議院議員の任期満了を迎える前に就任後あまり間を置かずに衆議院解散を行なうかもしれない。

 

【財政&金融政策】

岸田氏、河野氏、石破氏など、安倍首相と比較すると緊縮財政的な発言が目立つ候補が多いが、基本的にはどの候補もコロナ対応や早期の解散を意識して財政出動路線を継承すると思われる。公共事業の旗振り役である二階幹事長が推す菅氏が選出されれば公共事業費拡充の思惑から建設関連株などが買われるかもしれない。石破氏は現状の金融政策に否定的なようだが、誰が選出されても現状の金融政策が長期化することは避けられず、また日本銀行は政府から独立しているため、大きな変化はないと考えられる。

 

【菅氏の政策】

現時点で最も有力とみられる菅氏は安倍路線を継承することになりそうだが、菅氏独自の政策として携帯電話料金の値下げ要請などを再度行う可能性がある。31日の取引ではテレコム株が動意した。NTTドコモ‐3.36%KDDI‐4.74%ソフトバンク‐2.72%、一方で菅氏が参入を促した楽天+3.32%となった。菅首相誕生ならテレコム株の不安材料になるだろう。

 

【まとめ】

現時点では菅氏が新総裁に選出されそうで安倍路線の継続が強く意識される展開となりそうだ。その場合、ポスト安倍問題は株式市場に影響を与える材料にはならない。他の候補が選出される場合も石破氏を除けば、これまでの路線を踏襲すると考えられ、株式市場の動揺は起きないと見る。また新総裁が今後の解散総選挙で勝利できれば安倍首相のような政治的安定が意識され株高に向かうと見るが、米株の動向や米大統領選の行方の方が材料としては大きい。

 

自分も先週までに今年最大にCPを拡大していたが、アプライド日本KFCなどカタリストに富む銘柄を買い戻した。10月末までの日経平均株価のレンジとしては21,500~24,000円を予想する。

 

▷今日の関連株

選挙関連株

  • ムサシ東証JQS 7521)情報・印刷機材の富士フイルム特約店。自社開発の選挙機材は断トツ。貨幣処理機器も業界2位。国政選挙があると業績拡大。
  • イムラ封筒東証2部 3955)封筒事業で業界首位。シェア2割強。DM向けなどの窓封筒に強み。利益は上期の比重重い。国政選挙があると業績拡大。

テレコム株