決算日のいろいろ
▶決算日のいろいろ
日本企業は、政府や地方自治体の会計年度に合わせるために3月決算を採用している企業が多い。このサイトで調べたところ、3,527社のうち2339社が3月決算で割合は約2/3にあたる66.3%。次いで12月決算企業が多く、11.7%、最近では日本企業の海外進出が進んでいるため、海外子会社と合わせるために12月決算に変更する企業も増えている。
ところで、3月決算なら3月31日が決算日、12月決算なら12月31日が決算日という風に月末が決算日であるのが一般的だが、中には月末以外を決算日にしている企業もある。これは僕も最近まで知らなかった。調べてみると全部で69社。有名どころだとキーエンスも決算日を3月20日に設定していたりする。
決算日は、会社の定款によって決まるので、365日のいつでも設定可能で、会社にとって都合のいい日にすればいい。例えば、決算日次第で税金を納める時期も変わるため、資金繰りに余裕がある月に税の納付時期が来るように設定したり、季節的な要因で在庫が膨らむ時期を避けたりといった具合に。
月末以外に決算日を設定している上場企業があるのを知ったきっかけは事務機器の製造・販売を行う内田洋行の株主総会招集通知を見たからだ。内田洋行は決算日が7月20日、その上場子会社のウチダエスコも7月20日になっている。
内田洋行は、オフィス家具やICTシステム、教材教具を扱う商社で、特に学校や自治体との取引に強い。ウチダエスコは、内田洋行が約3割を出資する子会社で、学校や自治体向けにパソコンネット保守や、OA消耗品の納入などを行なっている。
両社とも、現金や営業債権が資産の大半を占めていて、資産の質が良い。学校や自治体を相手にしている取引で業績も安定していることから株主還元を強化する余地はあるだろう。そしてどちらも、実は例の光通信が大株主になっている。光通信は、村上ファンドや他のうるさい投資家のように、すぐに何かを要求してくる株主ではないが、やはり増配・自社株買いなどの株主還元や効率的な経営をしなければという意識を持たせる株主ではある。光通信が株主にいると株価を下支えする材料になる。
ただもしかすると、株主還元期待で買っているのではなく、内田洋行、ウチダエスコについては光通信がグループに入れたいと思っているような気もする。光通信が行なっているオフィス関連事業とのシナジーも見込め、近年力を入れている新規事業のITソリューションも強化できる。内田洋行、ウチダエスコの顧客は学校、自治体が多いため、顧客層も広げられる。
内田洋行が、PER15.02倍、PBR1.04倍
ウチダエスコが、PER12.09倍、PBR1.27倍
まだ追随買いできる株価水準ではあるが。。。。
▶今日の関連株
- 内田洋行(東証一部 8057)オフィス家具大手。学校備品・システムに強い。現在の筆頭株主は10.06%の株式を保有する光通信。
- ウチダエスコ(東証JQS 4699)内田洋行が3割を出資。パソコンネット保守などを行う。学校・自治体に強い。光通信が5.52%、光通信創業者の重田康光氏が5.47%の株式を保有。