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PBR0.28倍の北國銀行株は買いか?

▶PBR0.28倍の北國銀行株は買いか?

年初来安値を更新した銘柄をツイートしてくれる「新安値bot」というツイッターアカウントをフォローしているのだが、最近、北國銀行がよくツイートされる。

 

北國銀行は、地元石川県の唯一の地方銀行であり、知り合いが何人も就職しているところでもあるから気になる。

 

株価を見てみると、今日の安値が2,454円で、バブル期の最高値13,008円からみて8割引きの水準。リーマンショックの頃もおおむね3,000円を維持していて、バブル後最安値が東日本大震災の2011年3月につけた2,330円なので、現在の株価はバブル後の最安値とそう大きく変わらない水準である。

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投資指標からみてもPER9.49倍、PBR0.27倍、配当利回り2.84%となっていて、他の地方銀行と同じくPBR面での割安感が特に強い。(東証一部上場企業のPBRワーストランキングを見るとワースト100の中の8割は地銀である。ちなみに北國銀行はワースト66位)

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「低PBRランキングで1~25位にランクインしているのは、粉飾決算のすてきナイスG、自動車部品のGMB以外はすべて地方銀行

 

PBRは株価が純資産の何倍まで買われているかを表す指標なので、0.1倍とか0.2倍というのは純資産の10〜20%しか評価されていないということになる。

 

純資産は、企業が事業活動を停止して解散する際に株主に分配されるため、PBR1倍は解散価値とも言われる。北國銀行は期末の1株純資産が9,106円であるため、株価は2,454円だが、理論上は北國銀行が解散した場合は株主に対して1株につき9,106円が分配される。

 

本来ならこういう状況はおかしいのだが、銀行は必要な自己資本比率が定められているため、株価が割安でも自社株買い等に動きにくい。また規制業種であり安定株主が多いため、敵対的な買収のリスクにさらされることも少ない。このような理由によりPBR0.1倍とか0.2倍でも安値で放置されている。

 

というわけで、PBRでみると割安に見える地方銀行株だが、PBRは機能しない。じゃあ他の投資指標から見て、買いなのかどうかというと「買い」だと思う。特に配当利回りからみて割安ではないか。

 

地方銀行は安定的に配当を出している地方銀行が多く、株価の下落により配当利回り3〜5%がゴロゴロある。低金利が続いていること、営業地域の人口減少が止まらないことなどから地方銀行の経営環境は厳しい。しかし日銀もさらなる金融緩和による金融機関への副作用に目配りをしており、現状より一段と金利が低下するとは考えづらい。地方銀行の倒産リスクも非常に低い。減配のリスクも低そうだ。

 

だとすれば5年10年と配当狙いで長期保有するのはアリではなかろうか。

 

 

 

買うなら、比較的規模が大きく、経営体力がある、この辺の地方銀行が良さそう。

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「地銀の多くが今月8月に年初来安値を記録」

 

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