テーオーシーの値札
▷テーオーシーの値札
アジアで新型コロナウイルスの感染が拡大しても、アメリカは関係ないと言わんばかりの値動きをしていたアメリカ株が崩れ始めたのが2月24日。そこから今日まで14営業日で日経平均株価は5,174円安で-22.8%。自分が株式投資を始めたのは2011年9月だが、今まで経験したことのない下げスピードと下げ幅。
株価に関係なく、リスクを持ちたくないからとにかく投げ売る、叩き売るという感じで、日経平均株価、個別株ともに合理的に説明することができない水準まで落ちてきた。自分も恐怖を感じるところではあるが、素晴らしい優良企業の株におかしな値札が付いているのであれば、短期的にさらに下がるとしても、長期的には買い場だろうと思う。とりあえず今日はいくつか買い向かってみた。
そのうちの一つが五反田に商業施設を持つ不動産会社テーオーシー。保有する賃貸等不動産の価値に比べて異常に割安。純資産874億円、賃貸等不動産含み益987億円に対し、今日の終値ベースの時価総額は528億円。賃貸等不動産含み益を考慮したPBRは0.31倍。この急落で不動産会社各社の修正PBRは軒並み低下しているが、テーオーシーの修正PBRが最低である。
また、ただ安いだけでなく、大株主である大谷家が2007年に一度MBOをしようとした過去がある。その際は、MBO価格の問題や投資ファンドの対抗TOBが入りMBOは失敗に終わっているが、13年かけて自社株買いなどを行なってきた結果、現在は大谷家が全議決権の約50%を保有している。
大成建設、新菱冷熱工業(計10%)はおそらく友好的な株主であるし、取引銀行のみずほ銀行、日本生命保険もMBOに応募してくれると考えるならば、MBOを絶対に成立させられる全議決権の2/3は集められる公算が高い。
直近は安値で推移しているのをいいことに経営陣が安値でMBOを行なう可能性もないことはないが、少なくとも2007年のMBO価格の800円以上、推定で1株1,200~1,500円くらいじゃないだろうか。
いずれにせよ、今日の終値509円は値札が間違っている。怖いところは目を瞑って通り抜ける感じで、何か月後なのか、何年後なのか知らないけれど、MBOされるまで継続保有するくらいの気持ちでいたい。