レーザーブレード
レーザーブレード
近所のスーパーでこれを見て、「ん?」と思った。
花王の柔軟剤「ハミングファイン」本体が198円。詰め替えも198円で同じ値段。
でもよくみると容量が違っていて、90ml多く入っている本体のほうが安いことになる。
「詰め替えの方が当然、安いだろう」という考えを持っていたから、驚いた。
詰め替えの製品を選ぶことは、省資源で、ごみの削減にもつながるから環境に優しい。
でも、自分はそこまで環境意識が高くないし、本体の方が安いなら、迷わず本体の方を買う。
実際、そういう消費者のほうが多いと思う。
これ、多分、マーケティングの視点から考えると「レーザーブレード」と呼ばれる手法に近い。
レーザーブレードとは、製品本体の価格を下げて、顧客に購買を促し、その製品に使われる消耗品や保守管理サービスを高めの値段で売ることで、利益を上げるビジネスモデル。
重要なのが、最初の製品を顧客は買ってしまっているから、高額でも消耗品から逃れられないという点。
このモデルが「レーザーブレード」と呼ばれるのは、カミソリ本体を安く販売し、消耗品のカミソリ替刃を高く売るという販売手法をジレットが採ったため。
「ハミングファイン」に当てはめると、本体を安く販売し、選んでもらうことで、その後も、詰め替え製品で、花王の「ハミングファイン」を消費者が選んでもらう、ということを狙っているんじゃないかと思う。
なんとなく他社製品と混ぜたらやばそうとか思っちゃうし。
騙されないように、ライフサイクルコスト全体で考えて買う、賢い消費者でありたいね。
今日の関連株
花王(東証一部 4452)日用品大手。創業当初から、革新的なマーケティング手法に定評がある。
プリンターメーカー(プリンター各社でもレーザーブレードが見られる)