アルミニウム
アルミニウム
映画の途中で、「住友軽金属」と書かれた木箱の中に入ったアルミニウム製の材料が出てきたりする。
住友軽金属は現在のUACJ
住友はやっぱり銅で始まった財閥だけあって、鉄(旧-住友金属工業)とかアルミ(旧-住友軽金属)とか金属に強いんだよなあと、このシーンで実感した。
意外にも、鉄や銅といった多くの金属は、紀元前5000年から3000年ごろに発見されて、古くから人類が利用してたのに対して、
アルミニウムは、原料であるボーキサイトが発見されたのは1807年、アルミニウムの生産方法が確立されたのは1887年で、まだ200年ほどしか歴史のない金属なんだよね。
さらに日本では、原料のボーキサイトが採れないから、国内でアルミニウム製錬が始まるのは1934年になってからだし。
その日本で初めて、アルミニウムの製錬を行ったのが日本沃土(現‐昭和電工)
当時、アルミニウムは軍需に多くが使われていたため、国内で完結する生産を行うことが重要であり、日本沃土は国産原料・国産機械・国産技術を掲げてアルミニウムを生産していた。
この昭和電工の日本最初のアルミニウム製錬工場は、長野県の奥、大町市にあるのだけど、
こんなところにアルミニウムの工場があるのは不思議だなあと思って、調べてみると、アルミニウムの製錬には、「電力の缶詰」とも言われるほど大量の電力を必要とするから、近くの高瀬川の水力を利用して発電した電気を使うため、ここに建設したらしい。
昭和電工大町事業所で行われていたアルミニウムの製錬も、2回のオイルショックを経て、電気代の高い日本では成り立たなくなり、1982年には製造が中止になり、
今は大町事業所では、昭和電工の稼ぎ頭「黒鉛電極」が作られている。
黒鉛電極の製造にも大量の電力が必要で、アルミニウムを作っていたころからある自社の水力発電所を生かす形で事業が行われているのは興味深い。
ところで、高速道路もない大町市に原料とか運んでくるの、大変そうじゃないですか。
どうしているんだろう。
近くの黒部ダムでも見に行く機会があったら一度、大町市も見に行ってみたい。
今日の関連株
UACJ(東証一部 5741)古河スカイと住友軽金属が2013年に統合。アルミ圧延能力で世界3位。
昭和電工(東証一部 4004)このブログでも何回か取り上げた化学会社。アルミニウムでも名門。
日本軽金属ホールディングス(東証一部 5703)様々なアルミニウム関連製品を手掛けるアルミニウムの総合メーカー