ラピスラズリの青

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砂糖

砂糖

2~3月に、3月末が配当金・株主優待の権利付き基準日である企業を調べていたのだけど、製糖中堅の日本甜菜製糖が期末一括配当かつ、株主優待の内容がけっこう良かったからマークしていた。

 

だいたい2~3月の株価の推移が1800~2000円ってところで、配当が80円だから、配当利回り4.00%~4.44%でかなり高配当だし、株主優待は砂糖が送られてくるという点でも実用的で良いなあと思っていた。

 

ちなみに100株保有していると、3kgも送られてくるので要注意!

(実家に株主優待の砂糖送ろうとしたら、「迷惑だからやめて」と言われた。)

 

1000株持っていると、毎年10kg送られてくることになるけど、「業者かよ」ってかんじ。

 

 

 

 

そんな日本甜菜製糖は、投資指標からも割安で、PBRが0.4倍

 

他の上場している製糖大手と比べても割安。

(多分、他社より、砂糖相場に業績が左右されるから敬遠されている)

 

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日本甜菜製糖は上場している中では、テンサイをルーツとする唯一の製糖会社である。

 

主に砂糖は、沖縄県や鹿児島県のような暖かい地域で栽培されているサトウキビと、北海道のような冷涼な地域で栽培されるテンサイから製造される。

 

 

戦前の日本においては、サトウキビを利用した製糖は主に気候が適した台湾で行われており、三井製糖(旧‐台糖)や、塩水港精糖(塩水港は台湾の地名)、大日本明治製糖(かつて本社は台湾だった)などが台湾で事業を営んでいた。

 

一方で、日本甜菜製糖は北上し、樺太(現‐サハリン)などでも製糖事業を行っていた。

 

 

それら、外地の事業は、1945年の終戦とともに、資産が現地政府などに没収され、日本で製糖事業を営む企業は唯一、北海道でテンサイを栽培していた日本甜菜製糖だけになり製糖業は壊滅した。

 

 戦後は、主に海外から粗糖(加工段階の砂糖)を輸入し、日本国内で各社が精製するという体制が出来上がって、今日に至る。

 

 

 

 

戦前の日本企業は台湾で砂糖を大規模に作ったり、朝鮮半島水力発電を使った肥料生産をしたり、東南アジアで石油を掘ったりと、言い方は悪いかもしれないけど、現代の日本にない事業のスケールがあって、調べていておもしろい。

 

 

 

この辺の企業の歴史は、もうちょっとしっかり調べて、また取り上げたい。

 

今日の関連株

東洋精糖東証一部 2107丸紅系の製糖中堅。

日本甜菜製糖東証一部 2108)製糖準大手の一角。国産テンサイ糖で首位。

三井製糖東証一部 2109三井物産系製糖大手。旧‐台糖が合併。

塩水港精糖東証一部 2112三菱商事系製糖会社。創業地は台湾。

フジ日本製糖東証一部 2114双日系製糖会社。

日新製糖東証一部 2117住友商事系製糖会社。

 

粗糖(加工段階の砂糖)を海外から輸入する必要があるから、製糖各社は商社系が多いね)