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ホルムズ海峡を通るメタノール

▶ホルムズ海峡を通るメタノール

昨日はイランのことについて書いたけど、それに関連するニュースで、ちょうど最近、日本関係のタンカーがホルムズ海峡で攻撃されましたよね。

www.nikkei.com

 

攻撃されたケミカルタンカー「KOKUKA COURAGEOUS」は、東京都千代田区に本社を置く「国華産業(こくかさんぎょう)」という海運会社の船。

 

国華産業は、三菱ガス化学辰巳商会の共同出資会社で「KOKUKA COURAGEOUS」はメタノールを積んでいたらしい。


三菱ガス化学は、サウジアラビアで国営石油化学会社SABICと共同で、世界最大のメタノール工場を運営していて、多分、そこで作られたメタノールをアジア方面へ輸送する途中だったのだと思う。

 

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メタノールは、塗料や樹脂、接着剤、溶剤など幅広い製品の原料として使われ、近年、需要が伸びている化学基礎原料。

 

 

そもそも、メタノールは、天然ガスから作られるのだが、三菱ガス化学の前身企業は、かつて新潟県で採れる天然ガスを原料にメタノールを生産していた歴史があり、その技術がある。

1995年に新潟での生産を終了し、1983年から、その技術と現地の安価な天然ガスを使ってサウジアラビアメタノールを生産している。

 

 

三菱ガス化学メタノール需要の高まりの波に乗って業績はけっこう好調。

 

サウジの合弁会社から計上している利益も年平均100億円を超えていて、三菱ガス化学にとってこの事業を安定的に続けることは経営上とても重要。

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そして、幅広い用途に使われるメタノールは今は日本では生産されていない、そして産業・日常生活に不可欠な原油の多くもホルムズ海峡を通る。

 

特に、東日本大震災以降、エネルギーのほとんどを原油天然ガスに頼る中、ホルムズ海峡などシーレーンの確保は死活的に重要な問題である。

 

もっと日本人一人一人が自分のこととして考えてみなければいけない気がする。

 

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