ラピスラズリの青

主に自分の好きなものや興味のあることと企業をからめて

乃木フェス

▶乃木フェス

自分はあまりスマホゲームって、やらなくて、ヒットした『パズドラ』とか『モンスト』もダウンロードすらしなかった。そんな僕が1年くらいやっているゲームが『乃木坂46リズムフェスティバル』、通称『乃木フェス』

 

乃木フェスは、乃木坂の曲を使ったリズムゲームで、実際のライブ映像を背景にしている。この映像が見られるというのがすごくいい。

 

さらにフォーカスカードというのを手に入れると、特定のメンバーだけに焦点を合わせた映像が見られるのだが、今朝、新たに『風船は生きている』の斉藤優里さんのフォーカスを手に入れた。

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『風船は生きている』以外にも『シークレットグラフィティー』『自惚れビーチ』も持っているんだけど、どのフォーカスも斉藤優里さんのダンスは見ているとすごく癒される。自分であまりダンスが得意じゃないと仰っているし、まあ上手いほうではないのだろうけど、ニコニコで本当に楽しそうに飛び跳ねてるのを見るとしあわせな気持ちになる。上手い下手を通り越して、「観る人をしあわせにする」という点で天才的なダンスだと思う。(斉藤優里さんがどんなかんじなのか気になる方は、2017年6月2日のMステ『スカイダイビング』をYoutubeかなんかで見てみてほしい)

 

明日は、神宮球場で行われる「真夏の全国ツアー2019」の東京編2日目に参戦するが、同じメンバーで行われるライブはまたとないし、一瞬を大切に、それぞれの個性あるダンスを楽しんで来れればいいなあと思う。注目は山崎怜奈さん、岩本蓮加さん、掛橋沙耶香さん、北川悠理さん。

 

(来年以降ももちろん参加したいけど、ところで来年は東京オリ・パラ期間で神宮球場使えないし、2021年は神宮球場解体されるし、どーなるの??)

 

▶今日の関連株

焼肉の日

▶焼肉の日

今日8月29日は「焼肉の日」らしい。東京証券取引所には、いくつかの焼肉チェーンが上場しているが、投資家に最も知られている焼肉チェーンの一つは「あみやき亭」だろう。あみやき亭は愛知県を中心に焼肉店を展開しているため、東海地方以外では一般的な知名度が低いが、いつも一番乗りで決算発表するため投資家にはよく知られている。

 

どれくらい早いかというと、あみやき亭は、多くの日本企業と同じく3月決算で、3月31日が決算日だが、だいたい翌営業日の4月1日か4月2日にはもう決算短信が出てくる。一般的な3月決算企業は、4月末から5月上旬になって決算短信を出すから、それと比べるといかに早いかがよくわかる。

 

翌営業日の朝7時半に決算短信を提出するのが恒例になっていて、2018年は7~9月期決算(7月1日~9月30日)が、台風の影響で10月1日の18時になっただけで話題になった。

www.nikkei.com

 

こんなに早く決算が出せるのは、日次決算といって、毎日、売上高や原価率の計算を行なっているため、その数字を積み上げれば、決算短信を発表できるようになるからだ。

 

毎日、売上高や原価率を計算しているため、決算を早く発表できるだけでなく、業績の進捗や経営課題の状況についても日々、確認できる。

 

PDCAサイクル(P=Plan D=Do C=Check A=Act)のDとAの間が短期間で行えるということ。

 

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そういった点が経営に好影響を与えているのか、営業利益率は3年平均で9.2%と同業他社より高く、財務も飲食業にしては自己資本比率81.8%としっかりしている。株価はPER14.81倍、PBR1.07倍と割高感はないし、配当利回り3.00%かつ年1回の焼肉お食事優待券付き。

 

関東にもじわじわと出店してきているようなので、次の7〜9月期決算がちゃんと翌営業日に提出されるかチェックしつつ今後に期待。

 

▶今日の関連株

株主コミュニティ制度

▶株主コミュニティ制度

北陸中日新聞には、北陸・中京の銘柄という欄があって、上場している地元企業の株価がすぐにわかるようになっている。ここまでは他の地域の地方紙でもありそうだが、「地方株」という珍しい項目がある。

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この「地方株」というのは正式名称で「株主コミュニティ制度」と言う。この制度では、証券会社が銘柄ごとに株主コミュニティを組成し、その銘柄を取引したい投資家がコミュニティに登録することで、地域に根ざした非上場企業の株を売買できる。

 

2015年から始まった比較的新しい制度で、まだ全国で19銘柄しか扱いがない。しかし、なぜか今村証券(石川県)や島大証券(富山県)など北陸の証券会社がこの制度に積極的で、19銘柄中の9銘柄が北陸3県の企業。

 

石川県出身の僕からすると、北陸鉄道北陸放送MRO)といった馴染みのある企業が取引可能だ。新聞に参考株価が載っているので、そこからPERやPBRも算出できるが、いくつかの銘柄はなかなか魅力的な株価に見える。

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(実際には、流動性がかなり低いため、売りたい時に売りたい価格で売れない可能性がある分、株価はディスカウントされる=流動性リスク

 

営業赤字を補助金で埋めてる鉄道会社とか、公的資金注入行の銀行とかは微妙だが、北陸放送北日本放送YKKのこの低PBRは気になる。

 

北陸放送北日本放送は割安だが、上場している地方放送局も割安なので、そこと比べるとそれほど大きな魅力はないのかもしれないが。

 

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ただ北日本放送は、時価総額より正味流動資産がかなり大きい。いわゆるネットネット株。

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そしてYKK。ちょっと考えられないくらい安い。PER2.32倍、PBR0.16倍。業績も良いし、こんなのはあり得ない。自分の計算が間違っているのだろうか。普通に上場してたら買いたい。やっぱり流動性リスクで安いんかなあ。

 

 

 

 

とまあ多分、流動性が低いことで、異常な割安さで放置されている株主コミュニティ銘柄だが、最近、新しい動きがあった。これまで今村証券島大証券といった地場証券が「株主コミュニティ制度」の運営会員の中心だったが、2019年7月17日から最大手証券の野村證券が会員になった。

www.nikkei.com

野村の取り扱う銘柄はまだ発表されていないが、ここは最大手だから、全国各地の様々な銘柄がこれから扱われるようになるのではないか。もっと取引が活発になれば、流動性リスクによる株価のディスカウントも多少和らいだりして。。。

 

▶今日の関連株

坂道

▶坂道

乃木坂、欅坂、日向坂、そして幻の鳥居坂乃木坂46から始まった、いわゆる「坂道シリーズ」のグループ名は全て東京都港区に実際にある「坂」の名前からきている。東京には坂が実に多いが、武蔵野台地の縁に位置する港区は特に坂が多く、名前が付いているものだけで、90箇所近い坂がある。

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当然ながら、低地と高台があるから「坂」があるわけだが、高台は低地よりも地盤が固く安全で、眺望や日当たりも良い。そのため東京の坂の周辺や高台は、江戸時代には武家屋敷として、明治時代になると政府高官や各国大使館、財閥家族が住むような場所になっていく。

 

乃木坂は、いくつかの藩の屋敷が置かれ、その後は隣接する赤坂に陸軍施設が複数あったことから軍人が多く移り住み、地名の由来となる陸軍大将・乃木希典も住んでいた場所。

欅坂は、現在では六本木ヒルズテレビ朝日があるところだが、江戸時代は長府藩上屋敷があった場所だ。

日向坂は、江戸時代に久留米藩上屋敷があった場所で、1913年になると三井財閥が迎賓館を建設したりしている。(現在も綱町三井倶楽部がある)

鳥居坂は、明治時代に多度津藩の江戸屋敷があり、その後は三菱財閥の岩崎小弥太が邸宅を建てている。(現在は国際文化会館

 

そういった(由緒正しい?)土地利用の歴史から、現在でも高台や坂のある場所は麻布や広尾、白金といった高級住宅地が多く、乃木坂は3A(青山、麻布、赤坂)と呼ばれる高級住宅街に囲まれているし、欅坂は「ヒルズ族」という言葉もある六本木ヒルズの辺り、三田の日向坂も高級マンションが建っているような土地。

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「有名な高級住宅地は高台に位置する」

地形とか土地利用の歴史とか、何時代に誰が住んでいたとか、東京の街は調べるととてもおもしろい。今度、高低差を感じながら坂道の聖地巡りでもしてみようと思う。

 

(そういえば森ビルが麻布台で始めた再開発計画では、13thシングルヒット祈願のロケ地「三年坂」が開発予定地に含まれているっぽい。聖地の「三年坂」無くなっちゃうんかな。悲しい。。。)

www.itmedia.co.jp

 

▶今日の関連株

縁遠いブライダル関連株

▶縁遠いブライダル関連株

「某結婚式場運営会社の株買おうかなー」と思っているんだけど、 まだ結婚の「け」の字もないどころか「K」の一画目もないような人生を送っている自分にとってはブライダル関連は非常に縁遠いセクター。

 

だから、事業を理解するためにそもそも結婚式について調べていたら、思っていた以上に金がかかる。たまげた。挙式費用は2017年度の平均で354万円。

r.nikkei.com

 

結婚式という儀式のために354万とか、自分からすると高すぎて「こんな金かけてやる必要ある?」と思ってしまう。ご祝儀が平均200万円位らしく、相殺すると百数十万円にはなるが、祝儀だって親戚や友人から出ているわけで、相殺できるからいいかとはならない。

 

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内訳を見ても装花10万??写真7万??成人式で女子が着る振袖とかもそうだけど、価格設定がよくわからないし、足元を見られている気がする。価値観が多様化する中で、結婚式を挙げない「ナシ婚」という潮流が出てくるのも当然だろう。

 

 とまあ、こういうこと言ってるといざ結婚するときに相手と相手の親族から不信感を持たれそうだが、「一度しかないから」「周りもやっているから」と思考停止状態で、しあわせな勢いに任せて契約して式を挙げるのだけはやめようと思った。結婚式場運営会社の中には、披露宴割引券を優待で出してるところもあるから、その辺も有効に使うと良いかもね。

 

〈結婚式場運営会社等の株主優待実施状況〉

  • 2196エスクリ 披露宴でブライダルアイテム30万円分、レストラン割引カード
  • 2198アイ・ケイ・ケイ お菓子、レストラン割引券
  • 2418ツカダ・グローバルHD レストラン・ホテル割引券、QUOカード
  • 2424ブラス 披露宴10万円割引、QUOカード、食事会招待
  • 3607クラウディア 婚礼衣装割引、お米
  • 4331テイクアンドギヴ・ニーズ 優待制度なし
  • 4696ワタベウェディング 優待制度なし

 

youtu.be

 

▶今日の関連株

  • エスクリ東証一部 2196)駅ビル・駅近に式場やゲストハウスなど多様な業態で展開。
  • ツカダ・グローバルホールディング東証一部 2418)挙式・披露宴の婚礼事業のほか、ホテル事業も行う。

本社はカネを生まない

▶本社はカネを生まない

 

一流企業はやはり一流の、綺麗な、見晴らしの良いオフィスビルに入っているかと思いきやそうではない企業もある。

 

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売上高4,843億円、税引き前利益715億円の光通信本社がこれ。池袋駅メトロポリタン口から徒歩1分の好立地だが、目立ちにくいこじんまりした本社ビル。

 

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建設機械大手の小松製作所。こちらも日本で5本の指に入る優良企業だが、ぼろい本社。1966年築。本社建物の作りや外壁から「そんなに本社に金かけてないんだな」というのが伝わってくる。

 

信越化学光通信コマツは、「見栄えが良い近代的な本社を建てても、それは利益を生まない資産であるし、工場や研究開発といった利益を生む資産に投資する」という意思を持っているんだろう。投資家はこういう企業に投資するべきではないか。

 

逆に投資家としてみた場合、心象が悪いのは新興企業とかでイケイケな雰囲気に任せて、綺麗で見晴らしのいいオフィスに入ったりするやつ。赤字なのにJPタワー名古屋なんかに入居してるシェアリングテクノロジーとか。

 

また、投資家の間では昔から「新本社を建てると業績のピークを迎える」とか「新本社を建てると会社が傾く」というジンクスがある。必ずしも全ての企業に当てはまるわけではないが、これはわりと当たる。

 

2018年にアイルランドの製薬会社を6兆円で買収した武田薬品工業。同年3月に660億円もかけて日本橋に新本社を建てていたりして、ジンクスが頭をよぎる。(のれん4.0兆円、無形資産4.5兆もあるしさ)

 

 

綺麗なオフィスっていうのは、企業の本質的な価値ではないから、投資するにも就活するにも、そういううわべだけに騙されず、事業内容や財務内容、本業で稼げているのかとかちゃんと見極めないといけないね。

 

▶今日の関連株

「情報・通信」の食わず嫌い

▶「情報・通信」の食わず嫌い

中学2年生から10年ほど株をやっているが、やはり得意なセクターというのはある。東京証券取引所は33の業種分類を設けているが、その分類でいうと「化学」「機械」「電気機器」あたりが得意。逆に苦手なのは「情報・通信」。事業内容を理解するのが難しく、市場の変化も早いためだ。

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東証33業種分類」

 

というわけで、苦手意識があり「情報・通信」は避けてきたどころか調べてもいなかったのだが、最近よくよく調べてみると「情報・通信」に分類される企業の中でも、システム開発(SI)やソフトウェア開発を行なっている企業はバリュー投資に向いているものが意外に多いことに気づいた。

 

システム開発やソフトウェア開発というと、大手ではマイクロソフトNTTデータ富士通NECなどが有名だが、他にも東証には大小300社近いSIやソフトウェア開発業者が上場している。

 

それらは僕が敬遠してきた理由でもあるが、事業内容が理解しにくく、BtoBで知名度も低いため、割安であったとしても投資家の「買い」の対象になりにくい。

 

一方で、設備投資がそれほど必要ではないため、財務体質が強固な企業が多く、一度システムを顧客に納入すると保守業務などで継続的に稼げる安定したビジネスモデルであることも投資先として良い。

 

日本一のバリュー投資家とも言える携帯電話販売代理店大手の「光通信」も数多くのSI・ソフトウェア開発企業を買っている。

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「自保資本比率が高く、高ROEの企業が多い」

 

旭情報サービスあたりは割安な上に、配当利回りも高くて魅力的に見える。エックスネットもビジネスモデルが気になる。全体的にROEも高いし。

 

 

食わず嫌いしていて知らなかったが、良い業界を見つけてしまった。

なんでも苦手だと思って食わず嫌いするのは良くないってことですかね。

(食わず嫌いといえば、去年、函館で苦手なイクラを数年ぶりに食べたらめちゃくちゃ美味しかった)

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函館朝市・きくよ食堂にて」

 

▶今日の関連株

  • 光通信東証一部 9435)携帯電話販売代理店大手だが、余った資金で割安株にで投資することで有名。上場企業数十社の大株主。
  • 旭情報サービス東証二部 9799)企業内ITインフラの構築・運用・管理を行う独立系情報サービス会社。

PBR0.28倍の北國銀行株は買いか?

▶PBR0.28倍の北國銀行株は買いか?

年初来安値を更新した銘柄をツイートしてくれる「新安値bot」というツイッターアカウントをフォローしているのだが、最近、北國銀行がよくツイートされる。

 

北國銀行は、地元石川県の唯一の地方銀行であり、知り合いが何人も就職しているところでもあるから気になる。

 

株価を見てみると、今日の安値が2,454円で、バブル期の最高値13,008円からみて8割引きの水準。リーマンショックの頃もおおむね3,000円を維持していて、バブル後最安値が東日本大震災の2011年3月につけた2,330円なので、現在の株価はバブル後の最安値とそう大きく変わらない水準である。

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投資指標からみてもPER9.49倍、PBR0.27倍、配当利回り2.84%となっていて、他の地方銀行と同じくPBR面での割安感が特に強い。(東証一部上場企業のPBRワーストランキングを見るとワースト100の中の8割は地銀である。ちなみに北國銀行はワースト66位)

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「低PBRランキングで1~25位にランクインしているのは、粉飾決算のすてきナイスG、自動車部品のGMB以外はすべて地方銀行

 

PBRは株価が純資産の何倍まで買われているかを表す指標なので、0.1倍とか0.2倍というのは純資産の10〜20%しか評価されていないということになる。

 

純資産は、企業が事業活動を停止して解散する際に株主に分配されるため、PBR1倍は解散価値とも言われる。北國銀行は期末の1株純資産が9,106円であるため、株価は2,454円だが、理論上は北國銀行が解散した場合は株主に対して1株につき9,106円が分配される。

 

本来ならこういう状況はおかしいのだが、銀行は必要な自己資本比率が定められているため、株価が割安でも自社株買い等に動きにくい。また規制業種であり安定株主が多いため、敵対的な買収のリスクにさらされることも少ない。このような理由によりPBR0.1倍とか0.2倍でも安値で放置されている。

 

というわけで、PBRでみると割安に見える地方銀行株だが、PBRは機能しない。じゃあ他の投資指標から見て、買いなのかどうかというと「買い」だと思う。特に配当利回りからみて割安ではないか。

 

地方銀行は安定的に配当を出している地方銀行が多く、株価の下落により配当利回り3〜5%がゴロゴロある。低金利が続いていること、営業地域の人口減少が止まらないことなどから地方銀行の経営環境は厳しい。しかし日銀もさらなる金融緩和による金融機関への副作用に目配りをしており、現状より一段と金利が低下するとは考えづらい。地方銀行の倒産リスクも非常に低い。減配のリスクも低そうだ。

 

だとすれば5年10年と配当狙いで長期保有するのはアリではなかろうか。

 

 

 

買うなら、比較的規模が大きく、経営体力がある、この辺の地方銀行が良さそう。

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「地銀の多くが今月8月に年初来安値を記録」

 

▶今日の関連株

安さという価値

▶安さという価値

最近、友達に「ケチ」だと言われてしまったが、ツイッターで著名な投資家の様子を見ていても投資をやっている人はだいたいケチ。特にバリュー投資家(業績や財務の状況に対して割安な株に投資する投資家)には異常にケチが多い。

 

投資家にとってのお金はいわば商売道具であって、プロ野球選手にとってのバットやグローブ、ピアニストにとってのピアノ、トラック運転手にとってのトラックと言ったところ。だから浪費せずに価値があるものだけに出費するんだと思う。感情やイメージを排した、合理性に基づく意思決定を日々繰り返していることも影響していると思う。

 

そんな「ケチ」な僕が最近、安さに感心したのがドラッグストアのゲンキー、そして作業服専門店のワークマン。

 

ゲンキーは以前、書いたように食料品や生鮮食品、弁当など日用品以外の商品が異常に安い。

 

enterprise-research.hatenablog.com

 

ワークマンは建設労働者が使うような作業服の専門店なのだが、建設労働者向けに作った防水防寒の作業服が2015年頃から口コミで評価が広がり、バイクライダーや釣り人、アウトドア用途に使われるようになった。最近はそういったカジュアルウエアを専門に扱う「ワークマンPlus」というブランドを新設し、建設関係者以外にも入りやすい小型店を増やしている。

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「作業服」

 

スノーピークやTHE NORTH FACEなどの有名なアウトドアブランドでアウトドアウエアを揃えると上下で数万円は必要なところだが、簡単な山を登る程度であれば、ワークマンで上下5,000円に収まる。近年、アウトドア人気が高まっている中で、入門者が試しに買ってみるにはちょうど良い安さに思える。

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「ワークマンPlus」を訪れて、安さ、品質、客層を見て、これは伸びると実感したのは時すでに遅し。現在、ワークマン株はPER40倍が付いている。

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やはり「安さ」というのは計量的に比較できる価値であり、わかりやすい。何十年もデフレが続いてきて(ようやくデフレではない状況になりつつあるが)、やはり家計にも企業にもデフレマインドが染み付いている状況で、ゲンキーワークマンはこれからも強そうだ。

 

▶今日の関連株

3263円で売っている一万円札

▶3263円で売っている一万円札

昨日、紹介した旧日本興業銀行系の不動産会社ユニゾホールディングスだが、現在、旅行代理店大手のエイチ・アイ・エスから敵対的TOBをかけられている。そして今日、その敵対的TOBへの対抗策としてソフトバンクグループ傘下の投資ファンドフォートレス」をホワイトナイトとするTOBが発表された。

www.nikkei.com

 

ユニゾは東京駅前などにビルを多数所有し、時価評価で不動産含み益が1364.48億円ある。売却時に3割の税金が引かれるとして955.13億円。そこにユニゾの純資産1131.60億円を足すと純資産価値(NAV)は2086.73億円となる。TOB発表前の7月9日に1990円の終値を付けていたユニゾは、時価総額680.99億円なので、NAV倍率は680.99÷2086.73=0.3263。

 

これはつまり「3263円で1万円札を売っている」ようなもの。ホテル事業を強化したいエイチ・アイ・エスはこの割安さに目を付けた。

 

また、ユニゾは興銀系の不動産会社であるため、数年前までは興銀系企業や親密会社が主要株主となり、敵対的買収は不可能な株主構成になっていた。しかし直近4年間で4回もの公募増資を繰り返した結果、興銀系株主の持ち株比率が減少したこともエイチ・アイ・エスがユニゾに狙う要因の一つとなった。

 

 

 

 

繰り返しになるが「3263円で1万円札が買える」なんてのは異常なわけで、こういう資本市場で形成される価格の歪みを見つけるのも一つの投資法。次に狙われるのはどこなのか考えると楽しそう。

 

 

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NAV倍率から見ると、0.43倍の東京建物、0.37倍のダイビルが低い。東京建物は特定の主要株主を持たない点でユニゾ的な展開があるかもしれない。ダイビル商船三井が51%を保有しているので、商船三井による完全子会社化や、逆に株式の売却があり得る点で有望なのかな。

 

▶今日の関連株