坂道
▶坂道
乃木坂、欅坂、日向坂、そして幻の鳥居坂。乃木坂46から始まった、いわゆる「坂道シリーズ」のグループ名は全て東京都港区に実際にある「坂」の名前からきている。東京には坂が実に多いが、武蔵野台地の縁に位置する港区は特に坂が多く、名前が付いているものだけで、90箇所近い坂がある。
当然ながら、低地と高台があるから「坂」があるわけだが、高台は低地よりも地盤が固く安全で、眺望や日当たりも良い。そのため東京の坂の周辺や高台は、江戸時代には武家屋敷として、明治時代になると政府高官や各国大使館、財閥家族が住むような場所になっていく。
乃木坂は、いくつかの藩の屋敷が置かれ、その後は隣接する赤坂に陸軍施設が複数あったことから軍人が多く移り住み、地名の由来となる陸軍大将・乃木希典も住んでいた場所。
欅坂は、現在では六本木ヒルズやテレビ朝日があるところだが、江戸時代は長府藩の上屋敷があった場所だ。
日向坂は、江戸時代に久留米藩上屋敷があった場所で、1913年になると三井財閥が迎賓館を建設したりしている。(現在も綱町三井倶楽部がある)
鳥居坂は、明治時代に多度津藩の江戸屋敷があり、その後は三菱財閥の岩崎小弥太が邸宅を建てている。(現在は国際文化会館)
そういった(由緒正しい?)土地利用の歴史から、現在でも高台や坂のある場所は麻布や広尾、白金といった高級住宅地が多く、乃木坂は3A(青山、麻布、赤坂)と呼ばれる高級住宅街に囲まれているし、欅坂は「ヒルズ族」という言葉もある六本木ヒルズの辺り、三田の日向坂も高級マンションが建っているような土地。
地形とか土地利用の歴史とか、何時代に誰が住んでいたとか、東京の街は調べるととてもおもしろい。今度、高低差を感じながら坂道の聖地巡りでもしてみようと思う。
(そういえば森ビルが麻布台で始めた再開発計画では、13thシングルヒット祈願のロケ地「三年坂」が開発予定地に含まれているっぽい。聖地の「三年坂」無くなっちゃうんかな。悲しい。。。)
▶今日の関連株
- ソニー(東証一部 6758)音楽子会社「ソニーミュージックエンタテインメント」が乃木坂にビルを持っていたことから「乃木坂46」というグループ名に。