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【決算ウォッチ】EIZO 2021年3月期3Q

【決算ウォッチ】EIZO 2021年3月期3Q

投資先の一つであるEIZO(6737)が2021年3月期第3四半期決算を1月29日に発表した。創業の経緯から保有している村田製作所株が急騰しており、また前期から同社株の保有目的を「特定投資」から「純投資」に変更していて、今期中のどこかで売却する可能性に注目している(詳しくは『純投資目的に変更した理由は?』)。村田製作所株に関して、今回は特に何もなかったが、EIZOの決算をチェックしたい。

 1.決算概要

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売上高53,507百万円(前期比▲3.7%)、営業利益4,612百万円(同+20.4%)の減収増益。

通期業績予想に対する進捗率は、売上高で75.8%、営業利益で80.9%、当期純利益で82.6%となった。

 2.事業動向

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「2020年統合報告書 P.3~4」

EIZOは、三菱電機向けに白黒テレビのOEM供給を行なう電機メーカーとして1968年に石川県羽咋市に設立され、カラーテレビへの移行の中で、自社ブランドのモニター専業メーカーへと転換してきた企業だ。2002年の上場以降は売上高の大部分を占めていたアミューズメント(遊技機)市場向けモニターの縮小に対応し、ヘルスケア市場向けや航空管制用途、船舶用途などの分野を強化している。

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今期は新型コロナウイルスの影響を受けて、第2四半期までは営業活動が制限されたヘルスケア市場向けが特に落ち込み、第2四半期時点では当期純利益の進捗率が28.6%と低水準にとどまっていた。

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だが、今第3四半期は、前期好調だった反動があるV&S市場向け以外の全市場で回復がみられ、特に利益率の高いアミューズメント市場向けの好調が寄与し、進捗率は82.6%へと急上昇した。

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セガサミーホールディングス2021年3月期第2四半期決算説明・補足資料 P.27」

アミューズメント市場向けでは、2021年11月までに新規則に対応した機種への入れ替えが求められている。新型コロナウイルスの影響を受けて延期されていた入れ替え需要がようやく出てきたようだ。2022年3月期にかけて好調が持続するのではないか。

また保有する414万株の村田製作所株の急騰により、総資産に占める投資有価証券の割合は約4割に上昇している。含み益の増加で「その他有価証券評価差額金」も膨れ上がり、一株純資産は過去最高の5,222.28円へ。

 3.まとめ&感想

  • 進捗率は第2四半期の28.6%から82.6%に急上昇。
  • V&S市場向け以外の全市場で回復が見られる。
  • アミューズメント市場向けが新規則機対応で急回復。来期まで好調継続か。
  • 村田製作所株の急騰で投資有価証券は総資産の約4割に。評価差額金も大幅増。

 

第2四半期の進捗率が悪かったために株価は低迷していたが、通期予想達成はわりと堅くなり、来期に向けての光も見える内容の第3四半期決算だった。

そして12月末時点で総資産の約3割が「純投資」目的で保有する村田製作所株であるが、年明け以降、村田製作所株はさらに急騰している。これを今期中のどこかで売却するとの見方は不変であり、投資を継続。

 今日の関連株

  • EIZO東証一部 6737)モニター専業メーカー。高品質で定評がありヘルスケア、航空管制用途へ拡大。欧州売上が大きい。