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【光通信ウォッチ】3770ザッパラス

 【光通信ウォッチ】3770ザッパラス

自分は複数の光通信銘柄へ投資を行なっていることから、光通信の投資活動に高い関心を持っている。しかし同社の投資先には共通点がありそうでない。投資先を1社1社分析することで同社の投資方針や傾向など何らかの新たな発見があるのではないかということで前回から「光通信ウォッチ」と称して約180社に上る投資先の分析を始めた。初回のアイチコーポレーションの分析ではどうやら「ネットキャッシュ>時価総額」が一つの判断基準なのではないかということがわかった。今回は光通信が20.09%もの株式を保有するザッパラスを分析する。

 1.会社概要

ザッパラスは、2000年に設立され、NTTドコモの携帯電話IP接続サービス「iモード」向けに占い、待受画面、Eコマース等のデジタルコンテンツ配信を行なう企業として成長した。2005年に東証マザーズに上場してからは占い関連のコンテンツに特化している。

 

しかし、フィーチャーフォン向けコンテンツで成長してきたザッパラスはスマートフォンへの対応が遅れたことから2011年をピークに業績は右肩下がりを続けている。2018年にはついに赤字に転落、前期は3期ぶりに黒字化、今期も黒字を見込んでいるものの、2011年の最高益にはほど遠い経営状況だ。

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 2.光通信の投資目的

光通信の投資先の中には投資意図があまり明確ではないものが多いが、ザッパラスの株式を20.09%も取得した理由は同社の財務状況をみれば明確だ。

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占いコンテンツの配信という事業特性上、ザッパラスは大きな設備投資や事業のための資産をあまり必要としないため、総資産66億円の73.2%にあたる48億円もの現預金を持っている。無借金で自己資本比率も高く、言わば「現金の塊」のような企業だ。

 

そしてスマホ対応の遅れで業績は低迷中のため、株価も低位にある。時価総額は5年近くもほぼネットキャッシュと同じ程度で推移しており、光通信のザッパラスへの投資が明らかになったの2019年度の第2四半期もネットキャッシュ57億円に対し時価総額は52億円だ。

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逆に言えば、現在のような業績が続いたとしても、ザッパラスの時価総額がネットキャッシュを大きく下回ることはないとみて投資しているのではないか。

 3.感想

ザッパラスへの投資もアイチコーポレーションへの投資と同様に「ネットキャッシュ>時価総額」を一つの投資判断の材料としているようだということがわかった。そしてアイチコーポレーションと比較すると、ザッパラスは赤字体質であるものの、財務が良く時価総額がネットキャッシュ以下であるならば黒字でも赤字でもあまり構わないようだ。

今日の関連株

  • ザッパラス(東証一部 3770)モバイル端末向け占いコンテンツ配信が核。20~40歳女性が主顧客。占い事業に経営資源集中