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アルデシアの正体

▷アルデシアの正体

このブログではお馴染みの光通信が6月30日に2020年3月期の有価証券報告書を提出。何かおもしろい記述はないかとわくわくしながら読んでみると、連結財務諸表注記の21に光通信が3月31日時点で保有している株式についての記載があった。それによると最も保有額が大きいのはウォーレン・バフェット率いるBerkshire Hathaway、次いで日本電信電話、そしてレオパレス21

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Berkshire株を277億円も保有しているのも気になるが、注目したいのがレオパレス21だ。レオパレス21は賃貸住宅の大手だが、2018年に同社が施工したアパートの一部に建築基準法違反が発覚し、改修のための特別損失などで2019年は▲686億円、2020年は▲802億円の最終赤字となっている。施工不良発覚前の2018年3月期に1,594億円(自己資本比率47.1%)あった自己資本も盛大に吹っ飛ばし、直近の2020年3月期には15億円(自己資本比率0.7%)にまで財務が悪化している。施工不良物件の改修も13%ほどしか完了しておらず、今期も80億円の最終赤字を見込んでいることから今後の資本増強が不可避な状況だ。

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しかし、そんなお先真っ暗に見えるレオパレス21株を買い続けている投資家がいる。謎の投資会社アルデシアインベストメント(持株比率19.94%)、そして村上世彰氏のレノエスグラントコーポレーション(持株比率計16.77%)だ。これまでアルデシアインベストメントは本社所在地、代表者名しか明らかになっておらず、資金源や大量取得の目的がベールに包まれていたが、光通信の2020年3月期有価証券報告書から推察するとアルデシアインベストメント光通信系の投資会社だったということになるだろう。

 

ちなみに今日、レオパレス21株は年初来安値の190円を付けている。アルデシアの平均取得単価は276円、村上氏は288円なので両者とも含み損の状況だ。なぜ光通信村上世彰氏がレオパレス21を買い続けているのかは不明だが名立たる投資家の2人が100億円以上を投じるからにはなにか再建のウルトラCがあるのだろう。レオパレス21、そして2人の大株主の動きは注視しておきたい。

 

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