ノルウェー政府年金基金
▷ノルウェー政府年金基金
最近、テクマトリックスの上位株主に「GOVERNMENT OF NORWAY」がいるのを見つけた友達から「ノルウェー政府が株主の企業に特徴はあるか」と聞かれた。ノルウェー政府(正確にはノルウェー政府年金基金‐グローバルという名称)が優良な中小型株での運用を増やしていて、多くの日本企業の大株主として名前があがっていることは知っていたが、これを機に少しノルウェー政府年金基金について調べてみた。
ノルウェー政府年金基金は、北海油田からの石油収入を元手に、高齢社会、将来的な石油収入の減少、経済収縮などに備えて1996年に創設された基金で、2019年末時点で約123兆円を運用し政府系ファンドでは世界最大規模の運用額を誇っている。ちなみに日本国民の年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用額は168兆円。
アセットアロケーションは株式70.8%、債券26.5%、不動産2.7%で、株式については株式市場に大きな影響を与えないように「広く、薄く」多くの企業の株式を保有していて、日本では上場企業1,542社に605億ドル(約6兆5,350億円)を投資している。日本株の合計時価総額は約580兆円なので日本企業全体の約1%の株式を保有する大株主ということになる。
ノルウェー政府年金基金は全ての運用先をホームページで公開していて、個別銘柄の保有額、保有議決権の割合、株主総会での議決権行使の状況なども明らかになっている。これは見ているだけでも非常におもしろい。この辺の投資状況の透明性は日本のGPIFが見習うべき点でもあるだろう。
またノルウェー政府年金基金は日本の上場企業1,542社に投資しているが、「広く、薄く」投資しているため、保有割合が3.00%を超えるものは20社しかなく、その多くが優良な中小型株となっている。
今のように相場が乱高下していて、長期的な投資目線が求められる状況の中では、長期的目線で優良企業に投資しているノルウェー政府年金基金の投資先に投資するコバンザメ的方法がワークするかもしれない。