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最強の町工場「エーワン精密」

▶最強の町工場「エーワン精密

「競争戦略」というが、最も優れた競争戦略とは、独占・寡占、他社にない付加価値によって競争しなくてもよい環境を作り出すことだ。実際に、製造業で25%を超える営業利益率を達成しているような企業はやはり「他社と競争しない環境」を作り出している企業ばかりである。有名どころでは日本たばこ産業(営業利益率25.4%)、信越化学工業(同25.3%)、ディスコ(同26.2%)、SMC(同31.2%)、キーエンス(同54.1%)、ファナック(同25.6%)などが該当する。

 

東証ジャスダック上場で、工作機械に使う部品を生産しているエーワン精密も売上高20億円、従業員数100人と町工場クラスの企業ではあるが、他社にない製品・サービスで営業利益率は30.5%に達している。エーワン精密が手掛けるのは、工作機械で加工する材料を固定するコレットチャックという部品の製造で、小型旋盤用では国内シェアが6割にも上る。高い利益率を維持できているのは、このコレットチャックの「高い品質」と、注文の電話から5分で製造が始まり、他の業者では3日から1週間ほどの納期が必要なところを最短で当日発送する「超短納期」という付加価値を武器に、顧客からの値下げ要求を跳ね返してきたためである。

 

自社がやるべきこと、やらなくていいことを明確にし、他社にできないこと、他社がやらないことをやっていれば、町工場クラスでも勝てることをエーワン精密は示している。

 

事業が素晴らしいだけでなく、財務面からみても無借金経営で、惚れ惚れするような美しいB/S。PER14.3倍、PBR0.84倍と投資指標からも割高感はない。

f:id:enterprise-research:20191126091901p:plainAVI(英)やダルトン(米)といった外資系ファンドがエーワン精密の主要株主であるが、こういった素晴らしい企業にはやはり日本人が投資して成長を応援していくべきだと思う。

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