【決算ウォッチ】光通信 2020年3月期
▷【決算ウォッチ】光通信 2020年3月期
決算ウォッチ第4弾は光通信。光通信は日本最大のバリュー投資家としての顔も持ち、多くの割安な中小型株の大株主でもあるので、バリュー投資家の端くれとして決算をウォッチしておきたい企業である。5月20日に2020年3月期決算を発表した。
1.2020年3月期決算概要
売上高5,245億円(前年同期比+8.3%)、営業利益730億円(同+13.6%)の増収増益。
2021年3月期は売上高5,250億円(前年同期比+0.1%)、営業利益750億円(同+2.7%)と引き続き増収増益が続く予想。
2.事業動向
光通信は、強みである販売力を生かしたインターネット回線、電力、宅配水、保険といった長期的に安定したストック利益を得られる商材の販売を主に行なっており、ストック利益は短期的に大崩れするものではない。2020年3月期はこのストック利益が前期比+23.2%増加。
またストック利益から獲得コストを引いたものが営業利益となるが、獲得コストは主に変動費であり、光通信の裁量で調整可能としている。新型コロナウイルスの感染拡大による対面販売機会の減少などは逆風であろうが、今のところ本業は極めて安定している。
本業に対し副業と言える投資有価証券による運用の方は、キャッシュフロー計算書を見ると、1~3月の投資有価証券の取得は410億円と直近で最大。一方で投資有価証券の売却も366億円と最大。コロナショックを受けて銘柄の入れ替えを進めているのだろうか。
3.感想
強みである販売力は、アフターコロナも簡単に揺らぐとは思えず、安定したストック利益も考慮すると、現在のPER20倍、つまり20年分の利益に相当する株価だと考えるとまあまあ安いのでは。
あとは僕の保有株の一部は光通信の投資先でもあるので、投資有価証券の売買動向の変調の兆し?には注視しておきたいですね。