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【決算ウォッチ】トヨタ自動車 2020年3月期

▷【決算ウォッチ】トヨタ自動車 2020年3月期

決算ウォッチ第3弾はトヨタ自動車時価総額や利益の水準で日本最大の企業であり、関連産業への影響も大きいことから同社の決算は非常に重要。日本株全体の動向を変えるほどの影響力がある。5月12日に2020年3月期決算を発表した。

1.2020年3月期決算概要

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売上高29兆9,299億円(前年同期比▲1.0%)、営業利益2兆4,428億円(同▲1.0%)のほぼ横ばいの減収減益。2021年3月期業績予想は、売上高24兆円(前年同期比▲19.8%)、営業利益5,000億円(同▲79.5%)の大幅な減収減益を予想している。

2.事業動向

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新型コロナウイルスで▲1,600億円の影響があったとしているが、売上高・営業利益ともに▲1.0%の減少で2020年3月期に大きな影響は現れていない。それ以上に大きいのが為替変動影響▲3,050億円である。しかしこれも原価改善努力1,700億円などで補い、最終的な減益幅を▲246億円に止めている。トヨタ自動車の稼ぐ力は不変と見ていい内容だろう。

3.感想

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今期の業績予想は「20年末~21年初めに新型コロナウイルスの販売への影響が落ち着く」ことを前提として大幅な減収減益。しかし不確定要素が多い中で、業績予想を公表し、またそれは黒字(営業利益5,000億円)を維持する見通しである。リーマンショックの2009年(営業赤字-4,610億円)、その後の円高東日本大震災の2010年~2012年(営業利益1,475億円、4,682億円、3,556億円)を乗り越えたトヨタ自動車の2020年3月期決算、2021年3月期業績予想はこのような危機の中にあってもトヨタ自動車の地力の強さを感じさせる決算だったのではないか。

 

 

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