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北日本紡績の行方

北日本紡績の行方

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5月1日付の北國新聞には、東証2部の北日本紡績(石川県白山市)の経営陣が臨時株主総会で交代させられたという記事が大きく扱われていた。兵庫県の鋸メーカー「ユーエム工業」の専務を務める宮脇昌三氏らが北日本紡績経営陣の入れ替えを株主提案。結果的にこの株主提案が可決され北日本紡績の経営陣が入れ替えられるという異例の事態となった。

 

北日本紡績は、石川県の産業界をリードした直山与二氏ら地元有志によって1948年に創業された合繊・紡績糸の名門企業で、主に帝人向けに紡績糸を供給しているが、帝人が生産拠点を海外に移したことなどにより業績が振るわない。

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業績の低迷により、一時は時価総額が10億円を下回り、東京証券取引所上場廃止規定に抵触し、上場廃止の危機にも陥っている有様だ。ここ20年ほどは工場跡地や投資有価証券などの資産を売却しつつなんとか生き長らえてきた形で、目ぼしい資産はほとんど残っていない。鋸メーカーが事業を劇的に改善させられるとも思えない。新社長に就いた粕谷社長は「マネーゲームの意図はない。実業で地元の名門企業を成長させる」と語っているが、株主提案をしてきた投資家らは何を企んでいるのだろうか。

 

北日本紡績という数十億円で支配できる上場企業を使い、増資などで資金調達を考えている?M&Aなどで実質的に事業を転換し高値で売り抜けるとか?どちらにせよ、事業の将来性も無く、目ぼしい資産もない、純資産5億円の今の北日本紡績がPBR7.5倍の時価総額42億円という状況では投資する魅力はない。

 

奇しくも旧村上ファンド村上世彰氏が1999年頃、つまり最も初期に手掛けた銘柄の一つが北日本紡績らしいが、又もや大株主を巡って北日本紡績の動向に大きな変化が起こるのだろうか。

 

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