ラピスラズリの青

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タイヤ交換の「堀」

▷タイヤ交換の「堀」

冬用タイヤから夏用タイヤへの交換の繁忙期を迎えているタイヤ取り付け店で短期のアルバイトをしている。

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タイヤ保管倉庫

 そこで1か月ほど働いていて感じるのは、意外とタイヤ交換というビジネスはウォーレン・バフェットの言う「経済の堀(Economic moat)」があるのではないかということである。「経済の堀」とは、敵の侵入を防ぐために城の周りに築かれる堀のように、競合他社が簡単には攻め入ることのできない要因のことである。

 

自分が働いているタイヤ取り付け店では、1年分のタイヤ取り付け工賃(夏用・冬用タイヤの着脱)とタイヤの保管料を前渡しで受け取るビジネスモデルをとっていて、おそらくこれが業界のスタンダード。常時、顧客の夏用か冬用どちらかのタイヤを預かっているため、顧客側からすると心理的・物理的にスイッチングコストが高く、他社への乗り換えが容易ではない。

 

また、雪が降る地域では、雪が降りだす前から冬用タイヤに履き替える必要があり、今年のように暖冬で雪が全く降らなくても北海道・東北・北陸などでは履き替えるのが一般的で需要は安定している、顧客のタイヤが磨り減ってくると利益率の高いタイヤの販売ができる立場でもある。

 

タイヤ交換は、機材や時間があれば家庭でできないこともない(代替品の脅威)し、ガソリンスタンドやタイヤショップなど競合プレイヤーが多い(同業者間の競争)事業環境ではあるのだが、意外と儲かるビジネスなのかもしれない。

 

▷今日の関連株

  • ブリヂストン東証一部 5108)タイヤ世界最大手。米Firestoneなどを買収。高利益率の特殊タイヤなどを強化。「タイヤ館」などタイヤ小売も手掛ける。
  • 住友ゴム工業東証一部 5110)タイヤ国内2位。「Dunlop」「Falken」ブランド。ゴルフ用品なども手掛ける。2015年米Goodyearとの提携解消
  • 太平洋工業東証一部 7250)タイヤバルブとバルブコア世界首位級。タイヤ空気圧監視システムも
  • IDOM東証一部 7599)2016年がリバーインターナショナルから社名変更。中古車買い取り首位。直営軸に「ガリバー」展開。小売り強化。
  • イエローハット東証一部 9882)カー用品販売2位。居抜き物件中心の出店戦略が特徴。グループ店向け卸売りと自社小売りが柱。