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組織のライフサイクル・モデル

▶組織のライフサイクル・モデル

図書館で借りてきた経営学の本に「組織のライフサイクル・モデル」についての記述があった。それによると組織には「創業期」「形成期」「確立期」「成熟期」の4つのステージがあり、そのそれぞれに組織の特徴があり、乗り越えるべき課題がある。創業期から簡単に引用すると、

 

創業期:組織が創設されて間もない段階では、最も重要なことは生き残ることである。混沌とした状況の中で頻出する問題を創業者が創造的に解決することで組織は生き残る。しかし組織が一定の規模を超えると、一人の創業者が全ての課題に対処することは困難になる。そしてこの段階では創業者以外の組織メンバーの力を十分に活用できていないことが危機として現れる。

 

形成期:この危機を克服するためには、創業者が自らの哲学やビジョンを語り、「明確な方向性の提示」を行ない、組織と共有することが組織の推進力となる。この段階では組織の個性が固まりながら急成長する。

 この段階の組織では、経営理念が明確化され、経営者はカリスマ的で強いリーダーシップを発揮する。しかし、経営者以外の新しい経営人材が育たないこと、経営者に権限が集中する弊害が現れる。「権限移譲の必要性」が危機として問題になる。

 

確立期:形成期から確立期に移行するためには、権限移譲をサポートする制度・仕組みの制定が求められる。「内部システムの追加」が新たな経営を推進し、安定した型が確立される。制度や仕組みにより、経営者に依存せずに、組織の様々な部署で意思決定し進んでいく。そして今度は、その公式なシステムが組織の官僚化として現れ、危機となる。

 

成熟期:このような官僚主義を乗り越え、組織に活力を取り戻すためには組織の枠組みを壊し、協働の精神や柔軟な仕事の進め方を取り戻すような組織革新が求められる。この段階での危機は、組織革新を成し遂げてもやがて成熟化に逆戻りすることである。

 

 

この「組織のライフサイクル・モデル」の部分を読んで思ったのは、乃木坂46という組織はどこに位置しているんだろうかということ。個性が固まり急成長する時期は超えただろう。カリスマ的リーダーシップを発揮する創業メンバー(1期生)以外の人材も育ちつつある。制度や仕組みではないが多くの卒業生を見送る中で安定した型が確立されているので、おそらく確立期に入って少し経った頃にあたるのではないか。この様子を確認して白石麻衣さんも卒業を決めたんだと思う。

 

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欅坂46はおそらく形成期後期にあたるのだろうが、この時期に平手友梨奈さんが脱退。しかも乃木坂以上に1強体制であることから確立期に移行するために相当な困難があるように思える。孫正義会長率いるソフトバンクグループ永守重信会長の日本電産などカリスマの下で急成長してきた企業についても言えることだが、組織を代表する顔であり、精神的支柱であるカリスマ的リーダーの存在は非常に大きい。そしてカリスマであればあるほど次の代へと組織を引き継いでいくのは難しい。

 

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