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SBI、次の一手

▶SBI、次の一手

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 先月、『地銀の本店』というブログで、地方銀行を束ねて「第4のメガバンク」をつくる構想を掲げているSBIホールディングス島根銀行の次にどこを狙うのか注目していきたいと書いたが、早速動いた。

 

www.nikkei.com

新たに福島県福島銀行と資本業務提携し、17.85%を出資すると発表した。福島県は、福島第一原発事故により全国の中でも特に人口減少が激しい地域であり、また県内には東邦銀行(預金量5.1兆円)、福島銀行(同0.7兆円)、大東銀行(同0.6兆円)の3行があることから、かねてより再編の必要性が指摘されてきた。そんな中で、福島銀行は2018年3月期に最終赤字になるなど厳しい経営状況であり、時価総額も上場地銀72行中の下から3番目となっていた。そして今回、島根銀行と同じく、事実上、SBIに救済された形となった。

 

SBIとしては傘下に入れた地銀に自社の金融商品を売らせたり、自社のシステムを利用させて利用料を得ることなどを目的としているとされ、今後も地銀への出資が続きそうだ。第1弾で時価総額最小の島根銀行、第2弾で下から3番目の福島銀行SBIホールディングスと手を組んだことから、次も時価総額の小さい地銀を狙うのだろうと想像できる。

 

時価総額200億円以下の地銀は、(時価総額、本店所在地、コア業務純益、預金量)

 

こうしてみると、大東銀行は、福島銀行と重複店舗を統廃合でき、時価総額も低いので狙われそうなのはわかりやすい。頭取が「多様化する顧客ニーズに対応するために外部と業務提携するのはおかしな事ではない」と述べる長野銀行預金保険機構が大株主の高知銀行、規模が小さく、県内の融資シェアが小さい富山銀行あたりもかなあと思うが、基本的にどこが狙われてもおかしくない。あとはかねてからSBI北尾会長が興味を示しているスルガ銀行も。

 

SBIの軍門には下りたくないと、他の地銀との経営統合に踏み切るところも出るだろうし、令和はますます地銀激動の時代となりそうな感じがする。

 

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