フジ・メディアHDという不動産会社
▶フジ・メディアHDという不動産会社
フジテレビなどで構成されるフジサンケイグループの持株会社「フジ・メディアホールディングス」の株を最近買った。PER9.56倍、PBR0.44倍と、他のキー局と比べても安い(日テレPER10倍、テレ朝18倍、TBS20倍、テレ東18倍)
フジ・メディアHDの中核会社はやはりフジテレビであるが、近年は視聴率の低迷により業績が良くない。代わってグループ内の稼ぎ頭となっているのが都市開発・観光事業で、サンケイビルやグランビスタホテル&リゾートが傘下にある。
サンケイビルは、社名の通り産業経済新聞社(産経新聞)の不動産を管理する不動産会社として設立され、産業経済新聞社東京本社を建て替えた「東京サンケイビル」や、大阪本社を建て替えた高層ビル「ブリーゼタワー」など都心部に優良不動産を保有していて、2019年3月期は、売上高880億円、営業利益159億円をあげている。
グランビスタホテル&リゾートは、2015年に買収した観光事業子会社で、札幌グランドホテルや札幌パークホテルを運営している。売上高252億円、営業利益14億円。
両社を中心とする都市開発・観光事業はセグメント利益で180億円を稼いでいて、全社利益の約5割。東京放送ホールディングス(TBS)と同じで、実態は不動産会社がテレビ局をやっているという方が正しいことがわかる。今回、フジ・メディアホールディングスの株を買ったのも、この不動産会社としての側面に魅力を感じたためだ。
現在、大阪や池袋で、それぞれ投資額200億円超の大規模な開発案件が進行中であり、今年3月に上場させたREITのサンケイリアルエステート投資法人という出口も手にしていて、今後も都市開発・観光事業の力強さが継続しそうだと見ている。
短期的にも、今期は、第1四半期に厚生年金基金の代行返上益188億円を特別利益に計上しているため、通期業績予想に対する進捗率は第1四半期時点で63%に達している。通期では業績予想に対して130~150%で着地するのではないかと思われ、おそらく近々、上方修正するのではないかと見ている。
これまで、TBSホールディングスやテレビ朝日ホールディングスについても似た趣旨でブログを書いてきたが、「オワコン」だと思われているテレビ局はやはりこれまで積み上げてきた資産のアドバンテージが非常に大きい。しかも規制に守られ、新規参入もない。安全な運用先として、帰省した時、祖母にも奨めてみよう。