ラピスラズリの青

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「光通信」について

▶「光通信」について

これまで光通信の投資先について5本のブログ記事を書いたが、光通信がどういう企業なのかということについては書いていなかった。なかなか波乱万丈の歴史、伝説的な記録を持つ企業でもある。

 

光通信は、日本大学を中退した当時22歳の重田康光氏が1988年に創業した企業で、第二電電(DDI、現-KDDI)の電話加入手続き代理店やOA機器の販売を行っていた。1990年代になると携帯電話販売店として急速に業績を拡大し、1996年2月に店頭公開(上場)、重田氏は当時最年少の31歳で店頭公開を果たしたことでも有名になった。

 

2000年にかけては、インターキュー(現-GMOインターネット)、サイバーエージェント一休オン・ザ・エッヂ(旧-ライブドア)、ディップデジタルアーツなど現在でもよく知られたITベンチャーに積極的に投資していたところにITバブルが到来し、同社株は241,000円の株価を付け、時価総額は一時7兆円を超えていた。光通信筆頭株主である重田氏もフォーブス長者番付で世界5位にまで登りつめた、そういう時代もあった。

 

ところが、2000年3月に週刊誌記事で、手数料を得るための携帯電話の架空契約を行なっていたことが明らかになり、また直後の中間決算で赤字に転落したことで株価は今でも語り継がれる「20営業日連続ストップ安」となった。投資していたITベンチャーの価値も急激に下がり、光通信の経営の先行きが不安視された。

 

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2000年頃には「倒産する」とまで噂された光通信だったが、現在は不採算な携帯電話販売店を縮小し、法人向けにネット回線、宅配水販売、OA機器販売などの、一度、契約を獲得すると安定して利益が得られるストック型ビジネスで業績を回復させている。

 

そして、かつて行なっていたベンチャー投資も縮小し、現在は中小型の割安な上場企業に対する投資に積極的。昨年2018年は、大量保有報告書(上場企業の株の5%以上を取得した際に提出)・変更報告書(5%から1%以上の増減があった際に提出)を合わせて131件も提出しているが、2位のソフトバンクグループ伊藤忠商事が15件なので、それだけ飛びぬけて頻繁に売買しているということになる。

 

まだまだ2000年につけた最高値241,000円の10分の1ではあるが、業績とともに株価も回復してきている。一度死にかけた企業というのは立ち直ると強い。光通信の動きにはこれからも注目していきたいし、光通信の投資先の記事もまた何度も書くと思う。。。

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▶今日の関連株

  • 光通信東証一部 9435)携帯電話販売代理店第2位。現在は法人向けビジネスで稼ぐ。保険や宅配水ビジネス、電力販売にも展開。