投資ファンドみたいな電気工事会社
▶投資ファンドみたいな電気工事会社
東京にある自分の家はなんともなかったけれど、台風15号の影響で千葉県では未だに停電が続いている地域があるらしい。一度、丸一日停電して電気の無い生活を送ったことがあるから、千葉県の人たちの大変さ、電気の有り難さは少しはわかるつもり。
千葉県は東京電力の営業地域であるので、東京電力が復旧作業を行なっている。しかし、こういった災害の際は、各地域にある他の電力会社、そしてその傘下の電気工事会社が応援に駆けつけることになっていて、今回も全国から応援が来ている。
■東京電力パワーグリッドへの電力復旧応援■当社から派遣した応援要員・車両は、東京電力パワーグリッドの指示のもと、復旧作業にあたっております。引き続き、早期の電力復旧に向け、できる限り協力してまいります。 pic.twitter.com/SZJg2htnAG
— 中部電力株式会社 (@Official_Chuden) September 11, 2019
東京電力パワーグリッド㈱からの要請を受け、台風15号に伴う電力復旧のため、追加の応援派遣を行いました。現在、計65台の車両と127名の復旧要員を派遣しています。一刻も早く電気をお届けできるよう、全力で作業に取り組みます。 pic.twitter.com/2uTzl5zGez
— 北陸電力株式会社 (@rikudenOfficial) September 11, 2019
当社は、東京電力管内における電力の早期復旧に向け、高圧発電機車および復旧要員を #台風15号 による同社管内の被災エリアに派遣しています。動画は、配電線に高圧発電機車を接続し、応急送電を開始した様子です。一刻も早い電力の復旧に向け、できる限り協力してまいります。 pic.twitter.com/0CyWNz9qn2
— 北海道電力株式会社 (@Official_HEPCO) September 12, 2019
電気工事会社は普段、あまり注目されることはないが、各電力会社がそれぞれ傘下に電気工事会社を持っていて、沖縄電力傘下の沖電工以外は全て上場企業でもある。
これらの電気工事会社は、配電線工事や空調管工事を行なっていて、売上高でいうと約3〜4割が親会社の工事。残りは民間の建設会社や官公庁が発注する工事を請け負っているという形。
電力会社が東日本大震災以降、原発が停止し、収益面でも財務面でも苦しい状況に置かれている一方で、電気工事会社は安定して最終黒字を出しているし、自己資本比率が高いところも多い。投資するなら電気工事会社の方が良いだろう。その中でも特に財務体質が良く、投資先として自分好みなのが中国電力傘下の中電工。B/Sを見てみるとわかるが、総資産の4割以上を占めるのが投資有価証券。その投資有価証券も国債・地方債、社債などの債券が大半。
投資有価証券からの受取配当・受取利息が年間約13億円あり、それが営業利益に上乗せされるため、過去15期で最終赤字になったのは3期だけ。
中電工の株価は今日の終値で2,317円、PERは19.53倍、PBRは0.61倍の水準で割安感がある。また、今日の終値ベースで配当利回り4.49%と非常に高配当だ。そのうえ、配当水準を決める指標に「配当性向」ではなく、「連結株主資本配当率(DOE)」を用い、DOE2.7%を目途に配当を行うとしている。当期純利益の変動に関わらず、安定的な配当を行うという安心感があるわけだ。
中電工は、いわば「電気工事会社の皮を被った高配当投資ファンド」みたいな会社。のんびり投資するにはおもしろそう。
ここも千葉県に応援派遣しているのかなあ。はやく千葉県の停電が復旧しますように。