仮設足場の信和
▶仮設足場の信和
いやしかし台風15号の勢力をなめていた。いつものように『日向坂で会いましょう』を観終わった深夜1:35頃には寝たものの、東京に台風が最接近する深夜3時〜4時頃は今までに経験したことのないような窓の揺れる音で目が覚めた。窓ガラスが割れるんじゃないかと思って、昨日はリビングの真ん中で寝た。やはりこういう時は心細いし、あと何年、一人暮らししなきゃいけないんだろうなあと考えた。
一夜明けて、ニュースを見ると各地で建設現場の仮設足場が倒れたりしたようだ。想像に難くないが、建物での高所作業で使われる足場は簡単に倒れたりしてはいけない、高い品質が必要とされる部品で、建設業界では「足場の品質は命の価値に比例する」とも言われているらしい。それが倒れたくらいなので、いかに昨夜の風が強かったか。
当然、建設業界や仮設足場メーカーにいる人以外にはあまり知られていないが、仮設足場を作っているメーカーで、上場しているのはタカミヤ、信和、ダイサン、アルインコ、シンニッタンなどがある。
中でも、信和が11.2%と最も営業利益率が高い。
これは信和が、仮設足場を作る工場の主要な生産工程のほとんどをロボットで自動化していて、原価が抑えられているため。それに加えて、仮設足場はメーカー間での互換性がなく、先に自社製品が導入されると継続的に自社製品を買ってもらえる特徴がある。利益率が高いのは、そんな仮設足場市場で、信和は最大の4割のシェアを持つためでもある。こういう特徴があるのはとても興味深い。
財務の方は自己資本比率が高く安心感はあるが、過去のLBOに絡むのれん・無形資産が総資産の49.5%を占めている点に懸念がある。まあ今のところは減損の気配はなさそうだろうか。
配当性向も40%以上と積極的で、配当利回りは4.55%だし、PER9.66倍、PBR1.08倍と割高感はなく、仮設足場という地味な市場にいながら、おもしろそうな会社。
(仮設足場も進化しているようで、台風が来ても倒れない足場とか、台風が来る前に簡単に片づけられる足場とかそのうちできるんですかね、業界人じゃないから知らないけどさ)