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金沢市のホテル開業ラッシュ

金沢市のホテル開業ラッシュ

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日本興業銀行系(現‐みずほ銀行)の不動産会社「ユニゾホールディングス」の株を保有しているので、ユニゾが経営するホテルの株主優待券が届いた。ユニゾの本業はオフィスビルの賃貸だが、ホテル事業も近年は存在感を増している。

 

訪日観光客がここ数年で大幅に増加しているため、ホテル業界は活況で東京や大阪・京都の主要都市のみならず、地方都市でも新しいホテルの建設ラッシュになっている。ユニゾも最近、全国各地でホテルを建てている。

 

そしてその地方都市の中でも金沢市では、訪日観光客だけでなく、2015年の北陸新幹線開業で首都圏からの観光客が以前と比べて大幅に増加していることから有望な市場。その市場を狙って各社がホテル開発を進めていて、かなりの客室数がここ数年で供給されている。

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既存ホテルの売買も活発で、金沢駅前のANAクラウンプラザホテル金沢は星野リゾートが2015年に買収したし、2018年にはホテル日航金沢も不動産大手のヒューリックに買収されている。

 

このようにホテル投資が盛り上がっている状況ではあるが、日本政策投資銀行が発表したレポートでは、金沢でのホテル開発が計画通りに進むと客室が供給過剰になる可能性を指摘している。レポートでは、金沢への日本人観光客が微増、外国人観光客の割合が京都並みに増えた前提でも2021年にはホテルの客室稼働率が現状の75%から6%低下し、69%になる推測している。ホテルは稼働率80%で予約が取りにくくなるとされているので、69%というのは決して高くない数字。

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北陸新幹線開業から大幅に観光客は増加しているが、翌年からは微減、よく言っても横ばいというところ。それに加え、素人目に他の都市と金沢市の客室数を比べても、神戸や広島といった観光資源の多い都市と同規模だったり、2020年には名古屋を超えるというのもちょっと違和感がある。

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まあ供給過剰になるんだろうなと思うけれど、僕は年に一度は間違いなく金沢に行くし、この問題は、ホテル開発の動向とか、金沢市が独自に導入した宿泊税の影響とかも含めて今後も定期的に観察したりしていきたいと思う。

 

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