日本郵政株の低迷
▶日本郵政株の低迷
小泉内閣の推し進めた郵政民営化によって、民営化され、2017年に東証に上場した郵政3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)。
日本郵政は1,400円、ゆうちょ銀行は1,450円、かんぽ生命は2,200円で株式公開を果たした。
しかし、その後、運用難によるゆうちょ銀行の収益性悪化や、日本郵政の海外M&Aの失敗、さらには最近発覚したかんぽ生命の不適切販売などで、日本郵政株は7月26日終値で1,096円と低迷している。
日本政府は、日本郵政株売却で計4兆円程度を得て、それを東日本大震災の復興財源として使うことを予定している。
法律で日本郵政株の33%は日本政府が保有することになっているので、残り67%の売り出しによって4兆円程度を確保しなければならない。
これまで日本政府は、上場時に約1兆4,109億円、2回目の売り出しで約1兆3,985億円を売却しているので、4兆円には残り約1兆1906億円が必要。
政府が今後、売却予定の残り約10億株で1.2兆円を得るためには最低でも1,130円台で日本郵政株売り出す必要がある。
だから、日本郵政株が1,096円などという株価だと単に一企業の株価の問題を超えて、日本国の予算の問題になってくるのだ。
ここで投資の話になるのだが、逆に言えば、復興財源を確保するために、日本郵政は1,130円を超える株価になるような経営をしなければならない。株価も下げ止まってきたし、配当利回りも4.56%とかなり高い水準になっている。事業的にも地方で圧倒的な店舗網と信頼性を持つ強みもある。
すぐには株価は回復しないだろうが、今の日本郵政株は「買い」なのかもしれない。