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出光美術館

出光美術館

伊藤若冲など江戸時代の絵画を多数保有していることで有名なアメリカ人ジョー・プライス氏のコレクションの一部である190点を出光美術館が購入した。

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プライス夫妻は高齢のため、収集した絵画の売却先を探していたらしい。

 

長い間、プライス夫妻によって、大切に管理された収集品がまた散逸してバラバラになることなく、しっかりと運営されている日本の名門私立美術館が継承したというのは素晴らしいことだと思う。

 

出光美術館でそのうち一般公開されるだろうし、ぜひ一度観に行きたい。

 

ところで、この出光美術館は、出光興産創業者の出光佐三氏が集めた美術品の寄付を受け作られた私立美術館で、保有する800万株(4.05%)の出光興産株の運用益で運営されている。

 

出光美術館保有している出光興産株4%の他にも、出光創業家は3割近い議決権を今でも保有していて、昭和シェル石油との経営統合で経営陣と一悶着あったことは記憶に新しい。

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出光興産は長らく非上場を貫き、サントリー竹中工務店と並び称される「3大非上場企業」だった。

 

しかし、出光興産は、1990年代に製油所や給油所に過剰投資したことで、財務が悪化。最大で有利子負債が2.5兆円に達した一方、「出光家の事業」の状態が続き、経営不安説が飛び交った。

 

創業者・出光佐三の教えで、非上場を貫いてきたものの、90年代後半の金融機関の破綻をみて、創業家も銀行借り入れだけに頼るリスクを認識。1911年の創業から95年目の2006年についに上場を果たした。

 

上場しても出光興産は「変わった会社」で、労働組合はなく、新入社員研修では全員で明治神宮を参拝し、創業期の出光のビデオを見る。希望者は、出光と縁の深い福岡県宗像神社での神社合宿もあるらしい。

 

 

 

 

昭和シェル石油との経営統合で、こういう社風は今後どうなっていくのかわからないけど、新生「出光興産」が利益をあげ、より多くの配当をできるようになれば、出光美術館もより多くの資金を美術品の購入や保全に充てられるようになる。

 

貴重な美術品のためにも出光興産には頑張ってもらいたい。

 

 

 

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