ラピスラズリの青

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日本のマッチ産業

▶日本のマッチ産業

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日本たばこ産業JT)が運営している「たばこと塩の博物館」で「マッチ」の特別展をやってたから見に行ってきた。

 

この博物館、僕は3回目なんだけど、毎回違う特別展をやっていて、常設展示もおもしろい。料金も大人100円だから近くに寄る機会があったら一度は行ってみてほしいなあってところ。

 

たばこを吸わない自分も楽しめるし、スカイツリーから歩いて10分ほどだから周辺一帯を回るデートとか楽しいだろうなあと妄想してる(妄想の中でのお相手は斉藤優里さん)

 

 

 

 

 

マッチの展示を見ていると、日本は1890〜1910年代には世界屈指の生産量を誇るマッチ大国だったらしい。

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大量のマッチを主にアジア諸国に輸出していたため、アジアとの貿易に使われていた神戸港周辺にマッチ製造業者が多かった。

 

現在でも国内でマッチ製造する日東社(姫路市)、大和産業姫路市)、中外燐寸社岡山市)の3社はいずれも神戸周辺の企業だ。

 

2016年に撤退した最大手の兼松日産農林の工場も淡路にあった。

 

スウェーデン・マッチ

最大手だった兼松日産農林のマッチ事業は、1924年に設立された企業「大同燐寸」を源流にしている。

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「大同燐寸のマッチのデザイン」

 

この大同燐寸スウェーデン・マッチという企業と日本のマッチメーカー数社の共同経営で作られたという不思議な歴史を持つのだが、

 

当時、世界中でマッチ工場を次々と買収したり、各国のマッチ独占権を獲得し、マッチ業界のトップに君臨していたのが、このスウェーデン・マッチで、日本進出にあたり、国内の3社を合併させ、生産量の70〜80%を一社で生産する巨大企業を作り傘下に置いた。これが大同燐寸である。

 

ところが、このスウェーデン・マッチは実は世界中で巨額の買収をするための融資を得るため、粉飾決算や架空の金融取引を行なっており、1929年の世界恐慌以降、それが逆回転を始め、1932年に破産することになる。

 

親会社が破綻した大同燐寸は、日産コンツェルンでゴム園経営や林業事業を行なっていた日産農林工業と合併し、2017年までマッチ製造事業を行なっていたという、ちょっと変わった歴史がある老舗企業。

 

日産農林工業は、平成に入り、商社の兼松の傘下に入り、社名変更「兼松日産農林」になり、2016年「兼松サステック」に名を変え、現在では、木材を使った地盤改良事業や木材加工事業、セキュリティ機器の販売を行っている。

 

マッチ調べていて、すげえなあと思ったのは、スウェーデン・マッチという会社、どういう経緯があったのか復活していて、今でも世界最大手らしい。。。

 

スウェーデンって自国市場がそれほど大きくないから、スウェーデンの会社って海外に出て行ってグローバルに活躍しているのが多いんですよね。

 

▶今日の関連株

  • 兼松サステック東証一部 7961)2017年にマッチ事業から撤退した最大手企業。マッチのブランドは日東社に譲渡。