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図書印刷が持つお宝

図書印刷が持つお宝

印刷大手の凸版印刷が中堅印刷会社の図書印刷を完全子会社化することを5月13日に発表した。

www.nikkei.com

 

この図書印刷という会社は、利益率は地を這うほど低く、中核の印刷事業も将来性がないけれど、あることで投資ファンドから目を付けられていた。僕もその点に注目して図書印刷株を持っていた。

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「10年間で営業利益率1%を超えたのは一度だけ」

 

 

そのあることとは、リクルートHD株を大量に保有していること。

 

 

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「投資その他の資産」に含まれているリクルート株が総資産の約4割を占める。 

 

 

 

 

今でこそ、日本を代表するIT界隈の巨人だが、リクルート江副浩正が1960年に全国100紙の大学新聞と契約し、企業の採用情報を扱う専門広告代理店「大学新聞広告社」として創業された会社。

 

その後、それらの採用情報を集めた情報誌を作るようになり、ここで印刷会社との取引ができた関係から大日本印刷凸版印刷図書印刷が株主になった。

 

その時に、図書印刷が取得し、現在でも保有する1395万株のリクルート株は取得価格(簿価)が約5億円、現在の市場価格(時価)はなんと約480億円にもなっている。

 

図書印刷は、480億円ものリクルート株を持っている一方で、やっている事業は低収益かつ将来性がないため、市場での評価はとても低く、

 

図書印刷時価総額<保有しているリクルート株の価値

 

という時期も長かった。

 

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力強い成長力を持つリクルートのような企業の株を、低収益で将来性のない企業が持っていて、それも保有株の価値を大幅に下回るバーゲン株価になっている。

 

こういうお宝を見つけ出して、粘り強く長期投資していきたい。

 

 

 

 

 

そのときに大切なのは、先入観や思い込みではなく、本質的な価値をちゃんと見ることだと思う。

 

印刷会社という斜陽産業という先入観で、投資先の対象から外すのではなく、客観的に数字などを見なければいけないと強く思う。

 

そして、これは就職先を選ぶ時とかもそうで、「東証一部だから」「本社がきれいだから」「知名度があるから」とか本質的な企業の価値とは関係ないところで決断を下すのではなく、事業の収益性、安定性や安全性を客観的に判断することがとても重要だと思う。

 

投資や就活以外にも、人生は決断の連続だし、本質的な価値を見る能力、大事なのではないか。

 

 

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