TBSはどんな企業か
TBSはどんな企業か
「TBSは放送事業を手掛けるメディア」というのが常識的な世間一般の認識。
だけど、東京放送(TBS)ホールディングスのセグメント別資産を見ると、総資産8,236億円に占める、放送事業の資産は1,908億円で、比率は23%
さらに、放送事業、映像・文化事業、不動産事業の、どのセグメントにも属さない全社資産が4,069億円。
その大部分を占めるのが、「政策保有株」
「政策保有株」とは、会社同士が、株主の安定化によって敵対的買収を回避したり、取引関係の維持が目的で持ち合う株のこと。「持ち合い株」とも言う。
TBSホールディングスは、2018年3月期時点で4,363億円分の政策保有株を持っていて、
特に保有額が大きいのが、東京エレクトロン772万株(1,546億円分)とリクルートHD3,333万株(881億円分)
特に問題なのは、TBSと事業上、関係が全然ない半導体製造装置メーカーの東京エレクトロン株を持ちすぎていること。
TBSがどうして半導体製造装置メーカーの株を持っているかというと、
東京エレクトロンは東京放送(TBS)が設立したというより、日商を辞めた商社マン2人が中心となって1963年に設立され、それにVCとして全額出資したのが東京放送という構図っぽい
— A.Takumi☃️ (@takumi0847japex) 2018年6月9日
ちょうどこの時期、TBSは放送技術の革新が一段落して余剰になった自社エンジニアにオーディオ・ビデオ関連機器を作らせてたんだけど、それを販売する商社としての役割を東京エレクトロンに求めていたらしいんだよね
— A.Takumi☃️ (@takumi0847japex) 2018年6月9日
そんな訳で、技術商社として設立され、海外の最先端技術を探して日本に輸入・販売→アフターサービスなどを通してノウハウ蓄積→装置などを国産化、という感じで半導体製造装置メーカーになったと
— A.Takumi☃️ (@takumi0847japex) 2018年6月9日
まあ、東京エレクトロンは実質、TBSが作った会社ってこと。
メディアとガバナンス
TBSが、政策保有株によって歪な財務構造になっているわけだけど、去年あたりからイギリスの投資ファンドが改善を求めていろいろやっている。
一方で、自分が思うには、TBSHDは認定放送持株会社だから「外部の出資は議決権ベースで33%、外資は20%に制限」されているから、普通の会社よりも株主からのガバナンスが効きにくいんじゃないかと。
なんか、認定放送持株会社という制度に守られ、不動産事業からの安定収入(年間79億円)と、政策保有株からの莫大な配当(年間80億円)で、テレビ番組作ってるTBSって最強の既得権者に見えてくる。
認定放送持株会社制度で守られている放送局もすごいけど、新聞社は日刊新聞法で「株主を関係者のみに制限」できる。こっちもなかなかすごい。
最後に、日本テレビHDの資本関係調べてみたら、循環出資というか、グループでちゃんと3割押さえていて、なんというか美しい。
今日の関連株
フジ・メディア・ホールディングス(東証一部 4676)‐フジサンケイグループ。
東京放送ホールディングス(東証一部 9401)‐大手新聞社の影響力薄い。
日本テレビホールディングス(東証一部 9404)‐読売新聞グループ。
RKB毎日ホールディングス(福証 9407)‐九州北部でラジオ・テレビ。TBS系
テレビ朝日ホールディングス(東証一部 9409)‐朝日新聞社系。
テレビ東京ホールディングス(東証一部 9413)‐日本経済新聞社が大株主。